Amazonは、ニューヨーク市の教育部門から、米国で最大の学区に、電子書籍を販売することが承諾された。 2016年4月18日
シアトルのVillage大学構内にある、Amazon書店
By Greg Bensinger、WSJ
Amazonは、教育分野のビジネスにも、焦点を合わせている。
Amazonは、ニューヨーク市の教育部門から、米国で最大の学区に、電子書籍を販売することが承諾され、ニューヨークの学校に、5年間で、6450万ドルの電子書籍を販売する許可を得た。
ニューヨーク市の教育部門は、約3000万ドルで、3年間の契約を採決するようだ。
ニューヨーク市の学校などの教育機関は、Amazonから、初年度に430万ドル分、2年目は860万ドル分、3年目は1720万ドル分のデジタル・コンテンツを購入することが期待されている。
ちなみに、Amazonの手数料は、売上の10%から15%であるという。
この契約において、ニューヨーク市の学校は、Amazonから、生徒により使用される、電子教科書や、他のコンテンツを購入するために、ニューヨーク市の教育部門のマーケットプレイス・サイトを使用することができるようになる。
ニューヨーク市の教育部門のスポークスマンによると、購入された電子書籍や、他のコンテンツの権利を保持し、それらを、ニューヨーク市の複数の学校に譲渡することができるという。
この契約には、AmazonのKindle電子書籍リーダや、他のハードウェアは含まれていない。
ITベンダは、多くの学校の生徒に、自分たちのデバイスやサービスを提供できれば、生徒たちが、将来の顧客になることを期待できるので、学校は、ITベンダにとって、魅力的なターゲットである。
しかし、教育機関の官僚制度のもつれは、しばしば、最新の技術を、学校の教室にもたらすことを阻止している。
Appleは、入札プロセスに疑問を投げかける、内部レポートが漏れた後に、ロサンジェルスの学校の生徒にiPadを配布するための取り組みが困難に陥った。
それにも関わらず、Appleは、他の学区にハードウェア・デバイスを提供する取引に成功したようだ。
2015年8月に、ニューヨーク市の教育部門が、Amazonとの契約を延期したので、Amazonは、目の不自由な人たちを支援する、非営利団体、National Federation of the Blind(NFB)の要求を満足させるよう、計画を改訂した。
NFBは、Amazonの電子書籍コンテンツの多くが、本を朗読できる、専用ソフトウェアを考慮していないことを心配していた。
Amazonの対応は、ニューヨーク市の教育部門が、教科書を電子書籍化することで、教科書の保管に必要な空間や、紙の消費をなくし、書籍を永久的に保存するのを支援することである。
電子書籍リーダで、教科書や書籍を読むと、生徒に書籍の記憶が残りにくいのではないかと心配している教育者もいれば、電子書籍を使用すると、教師が、生徒の読んでるものを、より詳細に監視でき、生徒の理解度を把握できるので、それぞれの生徒に合った対応ができることを期待している教育者もいる。
紙の教科書や書籍を、電子書籍に置き換えると、生徒や教師に、どのような利益があり、どのような弊害をもたらすかは、まだ、完全に、明確になっていないので、教育部門は、学校に、電子書籍の効果的な利用方法を提示すると共に、教師と生徒を含む、学校からのフィードバックを得て、紙の教科書と比較し、改善していく必要があるだろう。
Amazonは、教師が数学のカリキュラムを作成するのを支援する、スタートアップ、TenMarks Educationを買収し、教育分野への対応を強化している。
2016年の初めに、Amazonは、生徒の、数学の学習への姿勢を変えることに焦点を合わせた、PRキャンペーンを実施した。
Amazonは、Massachusetts-Amherst大学やPurdue大学を含む、いくつかの大学に、教科書や、他の商品を販売する、共通ブランドのWebサイトを運用する、取引にも成功した。
ニューヨークの教育部門は、Amazonが、拡張可能なコンテンツ・カタログと、他社の平均よりも低い価格を提示し、14社の応募企業の間で、入札プロセスに勝ち残ったと述べた。