精神科での身体拘束 この10年で2倍に

  by 松沢直樹  Tags :  

厚生労働省は、精神科に入院した患者のうち、身体拘束の処置を施した患者が、この10年で2倍になったことを発表しました。
また、個室に閉鎖隔離処置した患者もこの10年で明らかに増加しており、1万人に届く勢いとなっています。

身体拘束とは、文字通り、患者さんの手足や腰を器具でベットに固定する処置を指しますが、あくまで精神保健指定医の資格を持つ医師が、患者さん自身を自傷したり他の方にけがを負わせるほど錯乱していると判断された時にのみ許される処置となっています。

調査は、精神科単科の病院だけでなく総合病院で6月30日を基準に、身体拘束や個室隔離の処置をした場合について統計を算出する方法を取っています。

患者さんが錯乱を起こす原因としては、統合失調症などの精神疾患もありますが、統合失調症のみならず全ての精神疾患は、拘束が必要なほど激しい錯乱を起こすわけではありません。

メディアがあまり取り上げなくなった危険ドラッグやその他の違法薬物による錯乱などが関連していないか、専門家の分析が待たれるところですが、薬物性精神障害は、青少年への教育と知識の啓蒙、そして販売ルートの根絶で確実に減らすことができます。
身近な問題になってしまっている可能性を考えて、官民併せて対策を講じることを考えなければいけない時期なのかもしれませんね。

写真はイメージ 足成より http://www.ashinari.com/2010/06/06-337257.php

松沢直樹

福岡県北九州市出身。主な取材フィールドは、フード、医療、社会保障など。近著に「食費革命」「うちの職場は隠れブラックかも」(三五館)」近年は児童文学作品も上梓。連合ユニオン東京・委託労働者ユニオン執行副委員長