離婚や死別で脳卒中のリスクが高まる 大阪大学などが疫学的調査で立証

  by 松沢直樹  Tags :  

21世紀になっても心の働きというものは、未解明の部分を残してます。心=脳の働きという考えが強いことも影響しているのは間違いありません。

とはいえ、胃潰瘍のように心理的な負担から身体に負担が生じるのはよく知られています。このことを考えると、心=脳の働きという考えは間違ってはいないものの、後天的な教育の影響や、感情の影響で負担になることは間違いありません。

以前から知られていたことではありますが、大阪大学が心にかかる負担が生命にかかる疾患を引き起こすことを医学的統計から見つけ、警鐘を鳴らしています。

大阪大学が行った疫学的調査では、離婚や死別で配偶者を失った人は、脳卒中を発症するリスクが26%高まることがわかったとしています。対象とした人は45歳から74歳までの人ですが、特にくも膜下出血のリスクは男性で48%、女性で25%高まることがわかったとのことです。

以前から、離婚や死別で配偶者を失った人が、病気に罹りやすいことは経験的に言われていました。大阪大学の今回の疫学的調査は、人間の心の動きや変化が病気を引き起こすことを裏付けたものとして貴重なものといえます。

今回は疫学的調査は、離婚と脳血管障害についての科学的裏付けを表す快挙とも言えますが、心の負担が体に出る病気として過敏性腸症候群など様々な病気が知られています。

ストレスを溜め込まないように意識することや、環境が変わる時は心身の変化に気をつけることが、とても重要だと言えそうですね。

※ 写真はイメージ 足成より  http://www.ashinari.com/2009/11/08-030246.php

松沢直樹

福岡県北九州市出身。主な取材フィールドは、フード、医療、社会保障など。近著に「食費革命」「うちの職場は隠れブラックかも」(三五館)」近年は児童文学作品も上梓。連合ユニオン東京・委託労働者ユニオン執行副委員長