11月27日(金)から12月2日(水)の期間中アーツ千代田3331にて開催中のシャフト40周年記念の展覧会『MADOGATARI』展を体感してきた。既に東京会場のチケットは完売しているが大阪と札幌の開催はこれからなので参考にしてほしい。
今回の展示はまさに「体感」とあらわすのにふさわしいテクノロジー体験の展覧会だった。
タイトルからも察せられるように、シャフト製作の人気アニメ『〈物語〉シリーズ』と『魔法少女まどか☆マギカ』を中心にした展示。グッズもそちらがメインだが従来のシャフト作品の原画なども展示され見ごたえ充分だった。
筆者は『〈物語〉シリーズ』も『魔法少女まどか☆マギカ』も双方愛好している。
そしてこの展覧会のチケット予約が始まったのは『魔法少女まどか☆マギカ』のキャラデザインを担当された蒼樹うめ先生の展覧会が開催された直後。うめ展で目当てのグッズを買えなかった敗北を喫した直後だった。チケット予約時に自動的にまどほむグッズが獲得できるこのイベントに気が付いたら振込みを済ませていたというわけだ。言っていて悲しい。
しかしグッズも重要だが今回は展覧会の内容が凄まじく最新鋭のテクノロジーに満ちていることを明記しておきたい。
場内に入ると8bitゲーム風味にキャラクターが館内の注意事項を説明してくれる。会場内エントランスは過去のシャフトキャラクターが勢ぞろいで彩られたキャラクタートンネル。そこを抜けるとまずは『〈物語〉シリーズ』のゾーン。阿良々木暦が空から落ちてきた少女、戦場ヶ原ひたぎを受け止める場面から。このとき「怪異」の影響で彼女の体重はわずか5kgしかなかった。失われたひたぎの重みを取り戻すことから始まるのがこの『〈物語〉シリーズ』だ。そう、空から落ちてきた少女を受け止める…こんなベタな始まりがあっていいのか? そしてこんなベタな始まりに可能性を与えているのが西尾維新作品の魅力だが、この一種独特の会話劇をオシャレッティな場面切り替えと独特の色調でアニメーションとして昇華しているのがシャフトの凄味だ。そのキレッキレの味わいを象徴している冒頭シーンがじっくりと味わえる構成になっている。
そして『〈物語〉』シアターでは意表をつかれた。本の形のオブジェが置かれ右頁に活字が、左頁にキャラクターが投影されてセリフを読み上げる映像が映える。たったそれだけなのだが、人物がモニターのなかではない等身大でガハラさんや神原や撫子がリアルに目の前で話しているような実感が味わえる。撫子…会いたかったよ撫子。
そして『魔法少女まどか☆マギカ』ゾーンで着目されるのはやはり『新編』の映像だ。意味深な暗喩に満ちたナレーションとまったく見たことのないキャラクターモチーフの連続で多くは語れないが期待感が高まる。
もちろんその他のアニメのアーカイブにも満ちており『ささみさん@がんばらない』も『メカクシティアクターズ』等も惜しみなく原画が連動するように展示されており原画なのにアニメとしての躍動感が存分に味わえる。
また期間中ローソン秋葉原中央通店では戦場ヶ原ひたぎの制服に身を包んだ暁美ほむらと忍野忍のワンピースを身に纏った鹿目まどかのアクリルキーホルダーやクリアファイルが入手できるので併せて特筆しておく。これらのグッズは『MADOGATARI』展にはない。この店限定なのでまどほむファンの方には是非ゲットしていただきたい。
見終えた頃には「アニメだいすき…」「日本に生まれてよかった…」という感想しか出なくなる。東京会場のチケットを逃した人、大阪や札幌のチケットを狙うだけの価値はあるぞ。物販はもちろん人気グッズは完売してしまうこともある。しかし、あらかじめ目当てのグッズを記入に用紙してスタッフに渡してから並びカウンターにつく頃には品物の受け渡しが可能なのでとてもスムーズ。展覧会そのものも入場までは並んだがゆったり見れるように配慮されておりなんと言おうかまた行きたいくらいだった。
ありがとうシャフト。これからも期待しています。
『MADOGATARI展』
http://www.madogatari.jp/ [リンク]