昨日の朝、フェイスブックのウォールにあった1枚の写真が目にとまった。
それは北海道朝鮮初中高級学校の教員が撮影した写真だ。
その写真には、以下のような文章があった。
”朝鮮学校にあり、日本学校にないものの一つが、校門の前に積もる雪山(写真)です。
夜に大雪が降ると、夜明け前に除雪車が出動し、まず向かうのが地域の学校。
子供たちの通学のために、通学路を校門前からきれいに除雪していきます。
しかし朝鮮学校は除外されているので、除雪車はハッキョを素通りしていきます。
なのでウリハッキョ教員たちとサッカー部の部員が除雪。
結果できるのが、この大きな雪山。
冬はまだ序の口で、本番はこれから。この2倍以上は積もるでしょう。
そうなると車が、見えなくなり出入りが大変危険です。
この問題、札幌市へ要請文を作成し、要請活動を何度も行ってきました。
実は、昨日のウォールに書いた札幌市役所資料室の「朝鮮人学校」ファイルにこの要請文がありました。なんと、この要請活動、1960年代から続いていたのです。
半世紀もの間、戦い続けたウリ同胞。
半世紀もの間、無視し続けた札幌市。
それでも我々は諦めません。
今年も2月7日に校長とオモニ会会長、「朝鮮学校を支える会」事務局長が、札幌副市長と面談することが決まりました。”
この投稿に対し、”おかしいよ。税金は同じように取られてるのに””半世紀も放置するなんて””本当の話なのか”など、憤りを感じる声が続いた。
ずっと、この写真を見て考えていた。その時、京都に住む友人が
”ていうか、こういう話って別に普通だと思ってた(雪のつもらへん地域やけど)みんなが驚くことに驚く。補助金が出ないってこういうこと。うちが卒業した学校のグラウンドはみんな保護者が掘った。(運動場って排水用の暗渠を掘らなきゃいけない)全部自分たちでやってきた。誰も手伝ってはくれない。”
と、感想を述べた。”こういう話って別に普通”、この一言が頭から離れなかった。
雪山は、写真を通してわたしたちの目にはっきり見える。近隣の学校の前にはなく、朝鮮学校にだけある雪山。
私は日本の公立学校を卒業し、大阪在住なので雪がこのように積もる場所に住んでいるわけでもない。
でも、この写真を、私は見てしまった。知らなかったことを知った後、見えなかったことを見た後、何ができるのかを考えた。まず、この写真を多くの日本の社会に住む人々に見て欲しいと思った。そして、この写真を撮影された方に連絡を取った。記事にしたいとの申し入れを快諾していただいて、感謝している。
自分にも息子がいるが、通う学校が同じような状況だったら。私は目の前を素通りしていく除雪車をどんな気持ちで見つめるんだろう。こんな社会はおかしい、ただそう思う。
また、こんな悲しい出来事が”普通の話”のままではいけないんじゃないかとも思う。朝鮮学校の前の雪山は、朝鮮学校に関わる人々の様々な思い、そしてこのような現実を見ようともしなかった、私たちの愚かさを表しているように積み重なっている。
この雪山を溶かすのは、写真を見た私、そしてこの日本の社会に住むあなたの心だ。