エッジ・コンピューティングが、IoTに重要な、7つの理由 2015年7月10日
By Don DeLoach、Thoughts On Cloud
エッジ・コンピューティングとは、ユーザの近くに、エッジ・サーバを分散させ、距離を短縮することで通信遅延を短縮させる技術で、スマートフォンやスマート・センサーなどのデバイス側で行っていた処理を、エッジ・サーバに分散させることにより、アプリケーション、サービス、および、ビッグデータなどの処理を効率化する方法のことである。
モノのインターネット(IoT)は、インターネット駆動技術が、1990年末に、バブルになって以来、ハイプのレベルに達しており、多くの学者が、IoTのモデルが、クラウドへ、直接、コミュニケートするスマート・センサーになると信じていた。
エッジ・コンピューティングが、IoTの進化に必要とされる、重要な要素であると考えた、7つの理由
1.エッジはデータ排気のためのマフラである。
データの廃棄とは、実際に価値のない、メッセージをフィルタリングし、廃棄することである。
スマート・センサーにより、収集され、生成されるデータは、膨大であるが、必要なデータは多い訳ではなく、実際に、殆どのメッセージは、取るに足らなものである。
例えば、スマート・ビルディングでは、さまざまなセンサーを使用して、多くの部屋の温度を、CO2、光度、雑音などを絶えず収集し、分析している。
しかし、部屋の温度は、そんなに頻繁に変化している訳ではないので、測定したデータをすべて収集することなく、適切な閾値をトリガーにしてデータを収集すれば、十分に、実用的である。
このため、極めて高いデータ廃棄率を持ち、ノイズ信号率が高い場合は、ノイズ・データを、エッジでフィルタリングし、不要なデータを廃棄すべきである。
エッジにおいて、重要でないデータをフィルタリングできれば、収集されたデータが、適切になり、量も少なくなくなるので、中央のクラウドへ転送し、処理するための負荷が低減される。
このため、ユーザは、あらゆるデータを、クラウドに転送し、保管したり、処理したりするための支出を減らすこともできる。
2.エッジ・コンピューティングには、タイムラインが重要である。
IoTの実装は、クローズド・ループのメッセージ応答システムに関するデータと同じ、使用価値に関するものである。
事実、より多くの効果的なデータとして、ユーザは、履歴的なデータを活用しており、最適なメッセージ応答を達成しがちである。
IoTの、ある程度、身近な分野には、照明、空調、ガレージのドアの開閉などの制御や、自動販売機の状態チェック、ウェアラブル・デバイスでのフィットネスやヘルスケアなどがある。
データを摂取する場所に、データのフィルタリングといった処理を移行させることにより、システムの遅延を、短縮させることができる。
しかし、自動車や、回りの状況に応じて、動くオブジェクトといった、レスポンス時間が、より重要になる分野では、システムの遅延は、極めて重要な問題になる。
さまざまなセンサーで、周りの状況を迅速に把握し、他のシステムと対話しながら、リアルタイムに対応できる必要のある、車載システムなどは、レスポンスを向上させるために、エッジ・コンピューティングや、高速なメッシュ・ネットワーキングが重要になる。
3.構成の容易さが重要である。
Francis daCostaの書籍、「モノのインターネットの再考(Rethinking the Internet of Things)」は、エッジ・プロセシングが適した、モノのインターネット(IoT)の分野を解説している。
この書籍は、微妙な違いがある要素の1つである、構成の容易さの概念についても解説している。
特に、IPv6に対応する必要のある、各スマート・センサーは、実際の問題である。
多くのセンサーは、(エッジ・デバイスのように)、実際に、独自のIPv6アドレスを必要とせずに、エッジ・サーバ(特定のIPv6アドレス)の背後に置くことができる。
センサーのベンダは、自分たちのセンサーに、IPv6プロトコルに対応することが要求されると、開発作業、スキル、費用、および、関連するコンピューティング・パワーが必要になる。
このため、センサー・ベンダが、IPv6プロトコルに対応することなく、エッジ・サーバの背後に、各センサーを構成できるようにすることで、各ベンダーは、自分たちのセンサーを、より小さく、単純で、より安く、より容易に、開発し、作成できるようになる。
(続く)