山口組結成100年でなぜ分裂は起こったのか?

  by あおぞら  Tags :  

神戸に本拠地を置く山口組は結成して100年である。100年続く組織としては吉本興業や宝塚歌劇団などがあるが、100年も続くには相当の努力の積み重ねと、幾多の困難にも打ち勝ってこそ、その組織の継続が成り立つのだろう。

そんな100年組織の山口組を劇的にに発展させるきっかけをつくったのは三代目の田岡組長である。神戸港の船内荷役業者をまとめてそれをビジネスとし神戸港の発展にも貢献した。ヤクザとビジネスの二本柱で、本業ではヤクザの荒くれ者もまとめて、任侠とも言える義理と人情の熱さで人をまとめ陣頭指揮をとった。

四代目の竹中組長が推された時に内部抗争があり、血で血を洗う殺し合いが始まり三代目の結束から組織に大きな亀裂が生じた。それから組長は変り100年続く山口組の六代目は現在司忍組長が務めるが、なんとなく今のこの争いを想像できた。

司忍組長は銃刀法違反により約5年半服役した。現役組長が檻の中にいるのはある意味下手こいたようでいただけない。刑期を終え出所した2011年のニュースが脳裏に焼き付いている、カッコつけすぎだった。帽子にサングラスにマフラーに質の良いコート。報道陣を意識してカメラにおさまる映画スター気取りに見えた。それに本名の篠田建市ではない司忍を通名に使うのはあまりにも見栄坊過ぎないか?

人事では出身母体の弘道会から若頭を任命し、我田引水的人事で周りから反感を買った。司忍組長は人間として熟していなかったと思う。ヤクザであろうが大手企業社長であろうが、経営をきちんと治める組織はトップの人間性が大きく左右する。人の心の掌握と自らを制す強い心が必要だ。それに金にあまりに固執しないことだ。

司忍組長は人事で自分の都合の良いよう周りを出身母体で固めて、傘下のヤクザたちへ上納金には取り立て厳しかったようだ。暴力団に詳しいジャーナリストの溝口敦氏の記事によると『直系組長たちは毎月約100万円を月会費名目で本部に納めている。その他、本部によるミネラルウオーターや日用品の半強制的な押し付け販売もあり、直系組長である以上、最低でも毎月50万円は買うことになっている』とある。

いくらなんでもあんまりだ。1ケース24本入りが3120円で、それを最低10ケース購入しなくてはいけないとあるが、1本約130円の水などいくらヤクザの荒稼ぎの商売にしても事務所で飲むには高すぎないか?炎天下の外出で汗が吹き出し水分補給で購入する130円の冷えたペットボトルの水なら価値はあるだろうが、事務所に常備する水としては高すぎる。またそんな物を売りつける山口組は随分弱い者いじめをする組織のように見える。

ヤクザ組織の金の出入りはかなり大きい筈だが、問題はいつも小さなことから始まる。戦争の始まりだって同じこと、決して大事で揉め始めるわけではない。この水の一件からしてみてもどのような運営方針かがなんとはなしに見えてくる。自分の身内だけ良い環境に置いて、後は働き蜂として働け!と態度で示しているようなものだ。

今まで貢献してきた傘下の組に絶縁状や破門状を送り付け、ヤクザの美徳であった義理と人情などへったくれもない。

ガメツイ大金持ちは、小さいお金に更にガメツイ。部下の繁栄も願わず、苦しい所帯から更に吸い上げ、傘下の組の懐具合も考慮せずに神戸に呼びつけ、そういうことを繰り返すと人は離れていくものだ。そこに芸名のような司忍と言う組長が存在すれば反感を買われて当たり前。

おそらく山口組は更に分裂を深め、司忍組長が組長になったことにより組織力も、結束力も勢力も衰えるだろう。それで暴力団が弱小化すればよいのだが、ヤクザ組織は一筋縄ではいかぬものだから、分裂後の展開が気になる。

勝手にヤクザ同士でドンパチやればいいというわけにはいかない。事実今まで一般人が何人巻き添えをくって命を落としたかだ。ヤクザ組織も人が命。その人間性に問題があるトップはこういう諍いがつきまとうのだ。

ニューヨークから発信しています

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