貝を使って出汁をとる“シェルラー”の最先端を行く『貝ガラ屋』が限定で
『牡蠣の冷やしラーメン』
を提供すると言う事で、早速食べに行ってみました。すでに数回の“冷やしラーメン”を限定で提供して来た『貝ガラ屋』の本気がココにあります。
ブラッシュアップされた貝出汁スープ
『貝ガラ屋』の前身である『イプサ』の頃から、牡蠣を使った新しいラーメン『汁なしオイスター』で注目されていましたが、さらに進化を重ねて現在の『牡蠣の冷やしラーメン』に至ります。
まず“牡蠣を使ったラーメン”を初めて食べると、その牡蠣の持つ強烈な個性に衝撃を受けますね。
鶏ガラや豚骨、煮干しなどの乾物では出せない、独特なスープは従来のラーメンと言う形骸を打ち破り、新しい可能性を示しています。
今回、限定で提供される『牡蠣の冷やしラーメン』は、個性の強い“牡蠣”を更に他の貝出汁(アサリとホタテ)と合わせた“ダブルスープ”との事。
これは『貝ガラ屋』のファンとしては、非常に気になる組み合わせです。
そこへ豆乳でコクを足し、白ワインで爽やかな風味を加えて、ボディの強いスープに仕上げています。
さらに最後に“レモンオイル”を回しかける事で、重厚なスープをさっぱりさせて“冷やしラーメン”に適した調整をしているのもポイントです。
なので、見た目は“ポタージュ”のような濃厚さですが、実際には“冷やしラーメン”として丁度良いバランスで、最後の一滴まで飲み干せるスープになっています。
麺も“冷やしラーメン”専用に特注するコダワリの店
今年、『貝ガラ屋』は夏に向けての“冷やしラーメン”を意識して、水で締めた状態で一番“貝出汁”に合う麺をテストしてきました。
そして数回のマイナーチェンジを経て、今回の『牡蠣の冷やしラーメン』になったのです。
まさに、この『牡蠣の冷やしラーメン』の為に生まれた麺は、細麺に近い中細麺ですがコシがあり、貝出汁を使ったスープに良く合います。
恐らくは“かんすい”も抑え目にして、より繊細なスープにも対応出来る麺を目指したのかもですね。
いわゆる“冷や麦”のようなスルっと入る食感ですが、ラーメン独自のコシと言うか弾力を残しているので、食べた感じはラーメンそのものです。
味変アイテムの“牡蠣味噌”も健在!
そして、常に新しいラーメンを模索する『貝ガラ屋』は、一杯のラーメンの中にも変化を求めます。
食べている途中で丼のフチにある“牡蠣味噌”をスープに溶く事で、より強い牡蠣の風味がプラスされます。
牡蠣のように主張の強いスープの場合、どうしても最初の一口の印象が強く、そこがピークになってしまいがちです。
味も香りも一番最初が“最高の瞬間”になってしまうので、最初の感動が最後までは続かないんですよね。勿論、世のラーメンのほぼ100%が
「最初の一口が一番美味い!」
のは当たり前で、作る側も最初の一口のインパクトを重視するのは当然の事なのです。
しかし、その当たり前の事を打ち崩すべく考えられたのが、この『貝ガラ屋』の得意とする“味変アイテム”の数々です。
今回の『牡蠣の冷やしラーメン』では、すでにレモンオイルが加わっているので、従来のようなレモンジュレを使った“二段構え”の味変ではありませんが、これでも十分な威力があります。
途中で“牡蠣味噌”を加える事で、牡蠣の旨みに慣れてしまった味覚にも、再び「最初の一口」の美味さが蘇るのです。
チャーシューもメンマも極上の仕上がり
そして『貝ガラ屋』では定番の“低温調理”で作られた柔らかい豚肩ロースのチャーシューと、大きなメンマがサイドを飾ります。
メンマと言うと、その味付けが注目されがちですが、この『貝ガラ屋』のメンマは
「メンマ本来の美味しさ」
を追及しています。なのでメンマの味付け自体はシンプルですが、その分“メンマ”本来の味と食感を楽しめます。
さらに今回は細かく砕いた“ガーリックチップ”にも注目です。
香ばしく揚げられたニンニクの香りは、口に入った瞬間に広がるので、これも味に変化をもたらす具材と言えるかもしれません。
『牡蠣の冷やしラーメン』 総評
まさに今までの“限定ラーメンの集大成”と言ったところでしょうか?
冷やしラーメンとしても、貝出汁を使った“シェルラー”としても完成度の高い一品かと思いました。
これはラーメンフリークであれば必食の一杯ですね。
牡蠣の他にも“アサリとホタテ”を使ったダブルスープは、ひとつの完成形として『貝ガラ屋』を代表するラーメンになると思います。
いや、これは週末だけの限定ではなく、夏の限定として涼しくなるまで続けても良いんじゃないでしょうか?
日本の夏と言えば“冷やし中華”ですが『貝ガラ屋』の夏と言えば、この『牡蠣の冷やしラーメン』と言っても過言ではありません。
あと、あまり“女性向けのラーメン”みたいな切り口は好きじゃありませんが、この『牡蠣の冷やしラーメン』は絶対に女子ウケするラーメンだと思いますね。
さらに、最近の脂が重いラーメンは苦手と言う、中高年層にもオススメです。動物系の脂は“ほぼゼロ”なので、健康面が気になる層にもヒットすると思います。
と、言う訳で間に合うかは分かりませんが、この記事を見た人はダッシュで『貝ガラ屋』に行きましょう。
初めて訪れる人は勿論、何度か行ったリピーターも納得の一杯だと思いますよ。
ちなみに『貝ガラ屋』の限定ラーメンに関する情報は『Twitter』で流れるので、フォローしておくと限定ラーメンを逃さないで済むのでオススメです。
『貝ガラ屋』
住所:神奈川県相模原市 中央区淵野辺本町 3-24-3
営業時間 11:30~15:00 18:00~21:00
定休日:月曜日