一概に言えないのですが、ニューヨークの一般的なオフィスは上記写真のように『キュービクル』と呼ばれる囲いの中に自分のスペースがあり、そこで仕事をしている振りをしている人が多くいます。役職を持つとドアのある個室を与えられますが、ニューヨークの特に日系企業に関しては役職があっても個室を持っていない人も多いです。
さて、こういうキュービクルは何が問題かと言うと、働く志の低い我田引水の社員が多いと、この死角を大いに利用して仕事以外のことをするツワモノもいるのです。ある会社では後ろのキュービクルからひっきりなしにキーボードを叩く音がして、その人の職務でそこまで、まるで記者のようにひっきりなしに文章を書いているのが不思議でならなかったし、また、その人のずる賢さからきっとズルをしていると読んではいたのですが….
その人は程なくして転職してゆき、その人と仲が良かった同僚から退職後に聞かされたことは、日本語をあやつるそのアメリカ人は日本でも働いていた経験もあり、日本のメディアでのリサーチをこともあろうに、その職場で週25時間もリサーチしていたそうです。
でも、不思議なものでそういう人の評価が高かったんですね。ちゃんと人をマネージメントする力がある上司なら、ズルい人間などは見抜けるはずだろうにそれが出来なかったのは、そういう人に限って調子よく上司に取り込むのがウマいのですね。
特に日系企業は、働かないズルい、ともすれば善良な日本人を利用しながら働いている振りをしているアメリカ人を珍重する傾向にあるのが、本当に不思議でした。
研究職とか他の人から隔離して、任務に集中する以外は日本の職場のように大所帯でいいと思います。
先日、日系の銀行を訪れる機会があり、キュービクルの間を通って面会の方のオフィスに向かいましたが、驚きもしなかったというのが本音ですが、キュービクルの中で数人のアメリカ人社員たちがおしゃべりに花を咲かせていました。緊張感もあったものじゃありません。
真面目に働くアメリカ人もいるので、士気を下げるような社員の処遇を考えるべきだとは思いますが、アメリカは訴訟社会なので煩わしい問題に発展するのを恐れてか、企業側はあまり厳しくでません。
できれば日本人のマネージメントの方々にしっかりしてほしいし、またそういう遊ぶ環境を作らせないように、アメリカでは一般的なキュービクルを日本企業では導入しないほうが、仕事の効率は上がるような気がしますね。
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