Googleの教育サービス「Google Apps for Education」が、プライバシー保護違反で、非難を受けているという。 2015年12月1日
By Alistair Barr、Elizabeth Dwoskin、WSJ
Googleの会長、Eric Schmidt氏が、2005年5月21日に行われた、カリフォルニア州のUC Berkeley大学の卒業式で、祝辞を述べた。
デジタル権利の監視団体が、「Google Apps for Education」と呼ばれる、Googleの教育サービスにおける、プライバシー保護違反を調査するよう、米国連邦取引委員会に依頼し、学生データの使用を制限する、「Student Privacy Pledge」誓約に違反すると告訴している。
非営利のプライバシー監視団体、Electronic Frontier Foundation(EFF)は、Googleの教育サービス、「Google Apps for Education」が、同社が、2015年1月に署名した、「Student Privacy Pledge」誓約に違反しているると、Federal Trade Commission(FTC)に告訴した。
AppleやMicrosoftを含む、200以上の企業が、教育の目的でのみ、学生のデータを収集、保存、あるいは、使用するという、「Student Privacy Pledge」誓約に署名している。
EFFによる申立ては、ユーザのブックマーク、パスワード、Webブラウジング履歴、検索履歴を保存する、GoogleのChrome Webブラウザの同期機能に焦点を合わせている。
EFFは、「この同期機能は、Googleが、学生のWebブラウンジング履歴や他のデータを、教育以外のことに使用することを助けている。」と主張している。
EFFの主張に対し、Googleは、教育機関に販売する、Chromebooksの同期設定を変更することに合意したという。
Googleによると、この新たな設定では、Google Apps for Educationを使用している間に、学生により入力、あるいは、生成されたデータは、コンテキストの範囲外で使用されないという。
Googleのスポークスマンは、「新たな設定などの対応で、Google Apps for Educationが、プライバシーの保護に関する法律と、「Student Privacy Pledge」誓約の両方に準拠していることを確信している。」というメールを、関係者に送信した。
しかし、EFFは、「新たな設定が実施された後にも、対応が十分ではなく、例えば、Googleは、学生が、Google Apps for Educationを使用している間に、用語の種類に関わらず、オンラインで検索した用語を収集している。」と述べた。
EFFは、Googleが、収集し、Student Privacy Pledge誓約に違反して使用されたと思われる、あらゆる学生のデータを消去するよう、Googleに要求するよう、FTCに依頼した。
2012年に、Googleは、ユーザを追跡した方法を、誤って伝えたことで、広告業界の誓約を守らなかったとする、FTCの告訴に決着を付けるために、2250万ドルを支払っている。
Student Privacy Pledgeを作成した、Future of Privacy Forumの代表、Jules Polonetsky氏は、「Googleは、匿名にしているデータを収集して、使用しているので、Student Privacy Pledge誓約に違反していない。」と述べた。
Googleは、FPFをサポートしている、120企業の1社である。
EFFは、匿名の学生のブラウジング履歴は、データのプライベートな本質を変えないと論争した。
EFFの告訴は、84億ドルにもなり、教育技術産業における、学生のプライバシー保護に関する問題に、論争を引き起こしている。
非営利団体、Data Quality Campaignによると、この10年間に、米国の15州は、学生のメール・アドレス、Webブランジング履歴、検索履歴を含む、学生のデータのプライバシーを保護するための法律を可決したという。
Obama大統領により、指示された、「Student Privacy Bill of Rights」は、米国の国会で審議中である。