大衆演劇俳優は月休1日!?あまりのハードスケジュールに働き方改革の声高まる

  by 中将タカノリ  Tags :  

早乙女太一さんのブレイク以降、全国で多くの劇場が新設されるなど年々人気の高まりを見せている大衆演劇

そんな中、人気劇団『南條隆とスーパー兄弟』総座長の龍美麗さんがTwitter上で業界に“働き方改革”が必要だと意見を表明した。

「大衆演劇の働き方改革は本当に必要なことだと思っています。

役者もお客様も昔に比べ求めるものが多くなった今。
今こそ必要なのです。

芝居も舞踊も商業演劇に引けを取らないレベルの物をやるにしても、睡眠時間を削り休みを潰してでも稽古をする。

これは役者の勝手かもしれませんが大衆演劇全体のレベルが上がっているのはお客様にも理解していただけると思います。

それに伴う稽古時間の倍増
ゲスト、大会等での休日の消費
せめて週に一度休みがあれば月に四回
うち二回をゲスト、大会に費やしても二日休みがあるのです。

身体をメンテナンスする暇もなく
集客、移動、舞台。。。
対人関係などで精神をすり減らし
それでも笑顔で舞台に立たなければならない

うちのように二人座長がいて
多数の座員がいても休みは滅多にとれません
一人座長の劇団さん
座員の少ない劇団さん等はもっと大変だと思います。

この事態を重く受け止め役者一同
お客様、大衆演劇に携わる全ての人々が
興行に対する考え方を変えねばなりません。

時間は掛かるでしょうが必ず僕達の世代が働きかけ、改革をせねばならないと思っています。
次の世代に繋ぐためにも。。。

僕達の子供が胸を張って大衆演劇の役者です!と言えるような世界に。。。」

大衆演劇業界は劇団、所属する会派、興行師、劇場などさまざまな関係者の意図が絡み合っており、興行のシステムが非常に複雑だ。

時代に合わせた改革がなされにくいということが業界に独特の魅力を与えていたことも確かだが、そのしわ寄せは確実に役者たちにきている。

週休2日が当然の現代にあって、彼らは1ヶ月に1日休みがあればいいほう。

毎日2回の公演をこなし、1カ月おきに自分たちで荷物をまとめて公演地を移動するというハードスケジュールを強いられているのだ。

その結果、健康を害したり、将来を悲観して業界を後にせざるを得なかった役者は数多い。環境との因果関係は不明だが、つい先日も20代の若さで急死した役者がいた。

また公演ずくめで身動きの取れない環境は、結果的に役者がテレビ、映画、音楽など他の業界に進出しにくい状況を作り、大衆演劇の現在以上の発展をさまたげてしまっているとも感じる。

3月28日現在、美麗さんのツイートは600件近くリツイートされ

「一般企業においても来月4月から10年ぶりに労働基準法が改正され施行されます。世間が働き方について注目している今この時期に大衆演劇の労働時間、環境…等にメスを入れるちょうど良い機会だと思います。」

「この週休2日があたりまえの世の中に、月1日しか休めないなんて。 休館日があってもファンは離れないと思います❗ 団員さんの命の方がだいじです。 良い方向に改革されますように」

「大衆演劇1ファンとして、絶対に賛同いたしますっ! こんなことになる前からずっと思っておりました。 週休1日制や、各劇場は平日1日だけ夜の部を休演日に設ける、 など、興行主が改革してほしい。 体調を崩しておられる役者さんはたくさんいてます。 興行主、劇場は、役者さんを大切にしてほしい!」

「誰であっても、心身ともにゆっくりする時間は必要です。職業に関係なく…。「毎日やってて当たり前」ではなく、「お休みかぁ。ゆっくり休んでね」というように、優しさで考えたいと思います。」

など賛同のコメントも多数寄せられている。

果たして大衆演劇業界の働き方改革は成るや否や。

温かくその行方を見守っていきたい。

※画像は『Twitter』から引用しました
https://twitter.com/YDkjiIS2H550ZtL

中将タカノリ

■シンガーソングライター、音楽・芸能評論家 ■奈良県奈良市出身 ■1984年3月8日生まれ ■関西学院大学文学部日本文学科中退 2005年、加賀テツヤ(ザ・リンド&リンダース)の薦めで芸能活動をスタート。 歌謡曲をフィーチャーした音楽性が注目され数々の楽曲提供、音楽プロデュースを手がける。代表曲に「雨にうたれて」、「女ごころ」(小林真に提供)など。 2012年からは音楽評論家としても活動。さまざまなメディアを通じて音楽、芸能について紹介、解説している。

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