日常の習慣が積み重なって起こる「生活習慣病」。そのポピュラーな病気の一つに「高血圧」があります。とはいえ、高血圧になったからといって、すぐに重篤な疾患にかかるわけではありません。
しかし、高血圧になると、血液を通じて重要な臓器に過剰な圧力がかかるため、脳や脳血管の障害、心臓やその他血液循環に影響を受ける臓器に、じわじわとダメージが加わります。そのため、医師は検診のたびに忠告を促すわけです。
高血圧の原因としては、遺伝的要員はあるものの、過労や食生活の乱れなどといった問題が大きいとされています。つまるところ、飲酒・喫煙の習慣があり、塩分を取り過ぎる傾向のある方は、高血圧だけでなく、高血圧によって起こる様々な疾病に罹るハイリスクの状態にさらされているということになります。
このように、高血圧症は遺伝的な素因や生活習慣によって引き起こされるものと考えられてきました。
ところが、独身で一人暮らしの人は、生活習慣に関係なく有意に高血圧になりやすいという研究結果が報告されて注目を集めています。
厚生労働省の研究班であり、滋賀医科大学の三浦克之教授などの報告によると、厚生労働省が5年前に行った「国民健康・栄養調査」2800人のデータをもとに、結婚している人の病状を調査しました。
高血圧の原因を調べる上では、飲酒や喫煙といった情報を考慮しなければなりません。同研究班によると、データを採集できた型の食生活、飲酒・喫煙などの生活習慣を調べました。結果、それらを差し引いても、独身の人は結婚している方の1.73程度リスクになっていると結論づけています。
なんともショッキングなデータですが、こればかりは一人で解決できるものではありませんから、困ったものです。
また、三浦教授らの研究では、結婚生活を送っている人が血圧が有意に低い理由を発見するまでには至っていません。
このあたりがわかると、独身の方も既婚の方も、さらに健康を飛躍的に伸ばす方法がみつかるかもしれませんね。
※写真は足成より http://www.ashinari.com/