10日、ニューヨーク市のビル・デブラシオ市長は同市内でのマリファナ所持に対する規制の緩和を発表した。
同市では今月19日より、マリファナ所持量は25グラム未満であれば”犯罪”として扱われず”違反”とみなされ、逮捕ではなく100ドル(約一万円)以下の罰金を科されるようになるという。市長は、「若者のたった一回の過ちで犯罪歴がつかないようにする」という規制緩和の理由を述べている。
そもそも、アメリカでは嗜好性大麻の合法化の動きが活発化している。アメリカはヨーロッパに比べ薬物に対する規制が厳しい国ではあるのだが、これまで20州とワシントンDCでは医療用大麻の販売が認められている事、膨大な予算を投じて規制しても規制できず税金の無駄使いという批判が強いといった状況が嗜好性大麻の販売制度の動きに繋がっている。現に、コロラド州では今年1月より全州で初めて嗜好性大麻の販売がスタートし、ワシントン州でも合法化された。
※写真は、押収した大麻を焼却するDEA特殊部隊
大麻のリスクはアルコールやタバコと同程度という研究結果も規制緩和の動きに拍車をかけている。がん治療の制吐剤として用いられている様に用法、用量をきちんと守れば薬にもなる側面があるのも事実である。しかし、高用量では虚血性心疾患を起こし、ちょっとした身体の動きで狭心症を示す頻度が高まり突然死を招く危険がある。また、「ゲートウェイ・ドラッグ理論」という考えが存在する様に、大麻使用が他のドラッグに手を染めてしまうきっかけになってしまう。日本が大麻を規制する根拠にもなっている理論であり、アメリカ麻薬取締局(DEA)も大麻使用者がコカインを使用する確立は通常の104倍であるとし、大麻をゲートウェイドラッグと位置づけている。に
日本の危険ドラッグ使用関連事件でもわかるように、薬物を使用する人間の薬物に対する認識不足、教育不足が薬物に手を出す事へのハードルを下げてしまっていると言える。規制緩和の是非論はそういった根本的な部分を置いてけぼりにしてしまってはいないだろうか?
※写真はウィキペディアより引用