テレビの映像や新聞の写真などで、災害時における避難所の状況を見たことのある人は多いのではないだろうか。
学校の体育館や公共のスポーツ施設など、広いスペースに何人もの人が集まり、共同生活を余儀なくされる。予め準備のない施設では、床に毛布やブルーシートを敷くだけの環境。他人との間に遮るものはなく、そこにプライバシーはない。
そうした中で、防災用品を扱う株式会社眞照は、被災者のプライバシーを守るために避難所用ダンボールパーテーション『D3(ディースリー)』を開発した。
『D3(ディースリー)』は高さ90cmのパーテーションとなり、周りの被災者からの視界を遮り、最低限のプライバシーを確保する。全てのパーツがダンボールでできており、軽量で持ち運びがしやすく、組み立てにも工具は必要ない。
組み立てはいたってシンプルで、避難所体験会では子供たちでも組み立てられたという。
また、ジョイント部分などパーツを大きくすることで乳幼児の誤飲なども防ぐ。
災害時など、緊急の際は人手も足りず、工具の数も限られる場合が多いだろう。そのような状況下でも、手の空いている人が素手で組み立てられるのは非常に大きな意味をもつ。
パーテーションは、必ずしも生活に必要なものだとは言えないかもしれない。しかし、自分がそうした立場になったとき、プライバシーを保つ空間は必要になるのではないだろうか。