中国全土で問題になっている『PM2.5』による大気汚染。中国政府は車の利用自粛を呼びかけたり、工場が排出する汚染物質を規制するなどの対策をとっているものの、あまり改善の気配は見られない。連日のように発生するこの“毒霧”には中国人民も参っているらしく、各自でさまざまな自衛策を講じている。
家庭内でできるもっとも手軽なPM2.5対策として、家電量販店やネット通販では空気清浄機がバカ売れ。あまりにも売れるので、利益率100%のボッタクリ価格を提示する店が多くなっているという報道もあるほどだ。中国全体でみると世帯普及率はまだ1%にも満たないらしいが、ある家電アナリストは、空気清浄機は3年以内に家庭の必需品になり、市場規模は1500億元(約2.5兆円)になるとみる。中国版Twitter『微博』のユーザーに多い中流以上の家庭では既に一家に1台どころか、1部屋に1台レベルの必需品になっているようにも感じられる。日本製の高級な空気清浄機の写真を得意気にアップしている見栄っ張りな中国人も多い。
ネット上では、使い捨てのマスクよりも経済的だとして、「タバコのフィルターを鼻の穴に詰めるといい」という冗談のような方法も広まっている。「天才現る!」「いやこれはさすがに無理だろ」とネタ扱いする人に混じって「タバコの臭いがしてやだなぁ」「鼻の穴に詰まって取れなくなったんだが」といった書き込みもあり、どうやら本当に試す人も現れているようだ。
そして極めつけは上海のおばちゃんが自作したらしき“空気清浄マスク”。なんと家庭用の空気清浄機を利用したマスクを装着して買い物に出かけているのだ。バッテリーで駆動させた空気清浄機と医療用フェイスマスクとをチューブでつなぎ、新鮮な空気を供給する仕組みになっているようだ。15kgはあろうかという大型の空気清浄機を背負って日常の食材を買い込む姿はなんともシュール。さすが自称4000年の歴史を誇る国の住民だ。これから世界にどんな困難が起こっても、たくましく生き延びていくことだろう。
上海住民がアップした、空気清浄機のフィルターが汚れていく様子。上から新品、4日目、15日目。家の中でこれでは、外はどうなっていることやら……。
画像:鳳凰視頻[リンク]、微博より引用