全国のラーメンを食べ歩くラーメンライター、井手隊長です。
京都発のこってりラーメンの代名詞「天下一品」。
全国に200店舗以上を展開している人気ラーメンチェーンだが、それでもなかなかお店に行けないという人は多いはずだ。今回はそんな「天下一品」から発売している持ち帰り・通販用チルド麺「家麺」をご紹介したい。
「天下一品」の「家麺」は、コロナ禍をきっかけに誕生した商品。外食が制限され、店に行きたくても行けない状況の中で、できる限り店の味を再現したおうちで食べられる一杯として開発された。現在は「こってり」と「あっさり」の2種類が用意されており、いずれも冷蔵配送で届く本格仕様となっている。
調理方法は非常にシンプルだ。鍋に1人前あたり150mlの湯を沸かして別添のスープを入れ、沸騰したら麺をそのまま入れて茹でてしまう。お鍋一つで完結するのはかなり嬉しい。コンロが1つしかないキッチンでもOK。自宅用ラーメンとして大きなメリットだ。
まず「あっさり」は、鶏がらをベースに豚骨のコクを加えたスープで、「天下一品」の中では比較的軽めの位置づけになるがラーメンとして十二分に美味しい。鶏の旨味が前に出つつ、豚骨が厚みを与え、後味には程よい甘みが残る。
「こってり」の印象が強い「天下一品」の中では、日常的に食べやすい一杯と位置付けられているが、思ったよりもしっかりとした旨味とボディに驚くことだろう。
一方の「こってり」は、「家麺」の完成度を象徴する存在だ。スープを温めている段階から徐々に粘度が増していくのが分かり、調理中から仕上がりの期待が膨らむ。丼に注ぐと、特有の高い粘度と独特の口当たりがはっきりと現れ、麺への絡みも十分だ。粉っぽさや違和感はほとんどなく、味の輪郭も明確で、店舗で提供される「こってり」にかなり近い印象を受ける。自宅でここまで再現できるとは、正直驚きだ。
冷蔵商品のため保存期間には限りがあるものの、好きなタイミングで調理でき、おうちで手軽に「天下一品」の一杯を楽しめるという利便性は高い。店の代替というよりも、「今日は家で食べたい」という選択肢を増やす存在になることは間違いない。「あっさり」と「こってり」の両方が用意されているので、その日の気分に合わせて選べるのも良い。
「天下一品」が長年築いてきたブランドや熱狂的なファンの作り方については、拙著『天下一品 無限の熱狂が生まれる仕掛け』でも詳しく取り上げているが、「家麺」にもその思想がしっかりと反映されている。
自宅用ラーメンとして極めて完成度が高く、「天下一品」が好きな人や食べてみたい人にとって試す価値のある一杯だ。ぜひお試しあれ!

