『ガンダム』シリーズに登場する太陽熱兵器『ソーラ・システム』が、ロンドン金融街のど真ん中に出現!? 世界的に記録的猛暑が続いたこの夏、ロンドンにおいても、車をも溶かす“熱い”スポットが発生していました。
ロンドンっ子たちに“ウォーキートーキー”(トランシーバー)ビルの通称で知られる“20 Fenchurch Street”ビルは、上部に向かって広がっていく全面ガラス張りの近未来的デザインを採用した高層ビル。来春の完成を目指して建設が進められているこのビルの周辺で、駐車していた車の一部が溶けて変形したり、店の入り口のカーペットが焼け焦げたりする事件が多発しているそうです。
原因はこのビルのガラスからの反射光。凹面鏡のように湾曲した壁面ガラスで反射した光が、ちょうどビルの下で焦点を結び、とんでもない熱を発生させていたというわけです。ビル南側の路上では、日中の路面の温度が90℃以上にもなり、フライパンを置いておけば目玉焼きを焼けるほど熱くなるのだとか。
建設会社はこのビルについて、当初は200m級としてデザインされていたものを周囲の歴史的景観を損なわないよう160mに抑え、最上階に空中庭園を作って入居者の住環境にも配慮した環境配慮型建築(グリーンビルディング)だとし、イギリスのグリーンビルディング認証制度『BREEAM』で「excellent」(5段階中の上から2番目)を獲得したことをアピールしていますが、直下の環境にまでは配慮が回らなかったようです。
高級車・ジャガーの樹脂製パーツが熱でグニャグニャに変形。原理的には数千度の熱でお湯を沸かす太陽熱発電と同じ仕組みなわけで、バカにならない熱エネルギーが発生してしまいます。同様の事件としては、日本でもペットボトルや金魚鉢が太陽光を集光して火事になる事件が発生しています。
画像はBBCより引用
http://www.bbc.co.uk/news/uk-23950011