TsutayaとGEOに一巻ずつしかなく、ずっと貸し出し中だったが、やっとTsutayaの方で借りることができた。現在準新作のこのDVDには、昭和の原風景が詰まっている。こ綺麗で整然とした街に慣らされてしまった者にとっては、不衛生にさえ感じてしまう古びた道やアーケード、お店のキッチン。慣れれば全く居心地いい場所だろう。若者の姿が少ないのは気になった。映画だからあえてそうしているのかも知れないが…道をレンガにしてみたり、キッチンをリフォームしたり、古びている所を古いなりにおしゃれに工夫したりと…そういう若者通りがひとつあってもいいかなと思った。商店街の次世代育成のために…映画を作った時点で空き店舗はないということだが、再びシャッターが下りたりした際には、(縁起でもない)ぜひ若者がまず入門する通りを作って欲しい。
おばぁラッパーズのセンター、新城カメさんがすばらしい。ブギのリズムを小刻みに刻む、そのグルーブ感は最高!デイケアの現場でも、スター性が際立っている。首里鼓団 綾門も素敵だ。大太鼓を軽々と操り、回転、しゃがみ込み、ジャンプ、どれも抜群の切れ味だ。華麗で勇壮な男らしさにあふれている。そして、エンディングで流れる栄町オールスターズの『ダウンタウンパレード』。泣ける感じの明るい曲だ。太陽を感じさせ、パレードの言葉が響く。もりとは音楽を志し上京し、栄町商店街に戻り居酒屋を営みながら音楽活動を続けている。かじまやーの件からも、人間性が伺える。その力強い声は、彼の作ったこの曲にとてもマッチしている。
すーじぐゎーを歩くのはいつも楽しみだ。その車も入れない細い通りは、人の庭を覗いているような申し訳なさとワクワク感を演出してくれる。だから、どうしても足早に通り過ぎようとする。せいぜい猫に出会うくらいならホっとするが、家の主などに遭遇した際には、“よそ者がすいません”という感じでさらに足早に通り過ぎる。家々に塀などなく、近道をする為人の庭を平気で通っていた子供時代を思い出す。栄町市場には両側の店と店の間隔の狭いすーじぐゎーがたくさん存在し、迷路のようだ。ワクワクしながらすーじを散策したり何度も通ってすーじを完全に制覇したりするのもきっと楽しいはずだ。