ビンボーだけど「うな丼が食べたい」というわけで『フェイクうな丼』を作ってみた

  by 松沢直樹  Tags :  

 

いやー暑いっすね。連日、朝から体温より気温が高い毎日が続いてますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

暑くなれば、夏バテを防ぐために、スタミナをつけるものを食べたくなるもの。

この時期のスタミナ料理の代表といえば、うな丼ですね。

なんでも、今年は、うなぎの稚魚が金と同じお値段するそうで。

あれだけ、ボロクソにたたかれてた中国からの輸入品ですら、下手すると1,500円くらいするという異常事態。

国産ウナギに至っては、楽に5,000円はふっとぶお店も珍しくありませぬ。(何でも放射性物質の問題に加えて、ニホンウナギがレッドデータになったのだとか。そりゃ、お値段、はねあがりますわね)

日々、●●屋の牛丼でタンパク源を補給している身分としては、「今日は少々豪勢に行きますか」などと張り込んでも、今年のうなぎは、そうそう手が出るお値段じゃありません。

自分でうなぎを釣りに行くなんていう、選択肢もなきにしもあらずですが、この暑さの中、釣りにでかけたら間違いなく倒れます。(私はムリ)

 

んじゃ、うな丼に近い食感の料理をこさえちゃえばいいいんじゃないの。

食い意地だけは天下逸品。ライター業界で、おいらの右に出る料理の腕前を持つ輩はいない。(自称)俺がやらずに誰がやる。

そーだそーだ、そうしよう。

という、ひきこもりライターにたまたま訪れた「躁」な波にのった勢いで、フェイクのうな丼を作ってみました。

 

まずは、完成の図から

見た目、なんとなくそれっぽいでやんしょ?

実は、 私自身、ライター業に携わる傍ら、メニュー開発とかフードコーディネートの仕事してるんですけど、なかなかいい感じだと思っています。

ちなみに、このフェイクうな丼のコストですが、ファストフードの大盛り牛丼のサイズで、大体150円くらい。

コスパも抜群だし、冷凍して作り置きも利くので、悪くないんじゃないかと思います。

ご家庭の奥様は、お弁当のおかずや、晩のおかずにも使えるかと。

もっとも、このフェイクうなぎ。実は、僕がオリジナルで考えたわけじゃなくて、もともと普茶(ふちゃ)料理といって江戸時代に中国から伝わった料理なんですね。

ただ、料理の方法がかなり大変なんで、僕がフライパンで作れるようにアレンジしてみました。

 

では、材料から。

●蓮根(はす) 100グラムくらい(あまりいいものじゃなくて結構。スーパーで100円前後くらいの見切り品を買いましょう)

●木綿豆腐  半丁

●海苔   数枚

●片栗粉  大さじ2

 

●調味料 醤油 大さじ4+砂糖 大さじ1(あらかじめ混ぜておきます)

●調理用の油 大さじ1 紅花油などが好ましいですがサラダオイルで十分です。

 

■作り方

1・豆腐を手で崩して、よく練ります。

水分をしっかり絞って、とにかくゲル状になるまで、しっかり手で練りましょう。

会社で嫌な上司を思い出しながら、「こいつめ」と思いながら練るのもよし。彼氏の言葉にムカついたことを思い出してやるのもよし。とにかくなめらかになるまで、手で練ってください。

こんな感じになれば、まあいいでしょう。

2・次は、蓮をすり下ろします。

蓮は、加熱すると、独特の食感がでます。今回のフェイクうなぎの要です。
ちょっと力がいりますけど頑張ってください。

3・蓮をすり下ろしたら、あらかじめゲル状に練っておいた豆腐とよく混ぜ合わせます。

その上で、片栗粉を混ぜてよく練ります。材料の水分によってずいぶん柔らかさに差がでますから、耳たぶくらいの堅さになるように、場合によっては片栗粉を足してください。

4・練ったフェイクうなぎの素を、整形して焼いていきます。

フライパンに、焼き海苔をのせて、その上に、「3」で作った、良く練った豆腐+すり下ろした蓮+片栗粉を伸ばしていきます。(なんとなく魚っぽくなってきましたね)

 

5・この状態で、ガスコンロの火を入れて中火に。

火が回り始めたら、上から調理用のオイルを、糸を垂らすように、まんべんなくかけます。片面に火が通ったら、裏返して焦げ目がつくまで火を通します。

6・フェイクうなぎに火が通ったら、あらかじめ用意しておいた、しょうゆと砂糖を混ぜておいた調味料をフライパンに流し込みます。

一気に砂糖がこげて、うなぎのかば焼きのにおいがしてきますが、この時、あまりにも火が強いと、焦げて炭になるので注意してください。コンロの火が消えるか消えないかって感じの火加減で、じっくり焦がす感じで。

 

海苔は、うなぎの皮に見立てているわけですね。なんとなく、かば焼きっぽくなってきたでしょ?

では、盛りつけです。

 

アップで見ていただくとこんな感じ

 

水分が少し多くて、完璧にうなぎの食感は再現できなかったですけど、混ぜる片栗粉次第で、うなぎと変わらない食感は再現できそうですね。

改良を重ねて、第二のカニカマを発明して大金持ちも夢じゃないかも。

ちなみに、20人くらいに試食してもらいましたが、鰻丼と信じて疑わなかった人は、12名。焼き加減が変わったうなぎだと思ってた人は8名。

これなら、じゅうぶん本物と対抗できそうですな。

お金がないなら、ないなりに楽しむ方法やたくさんあります。

こういった楽しみ方も、何かと世知辛い世相ですから、アリなんじゃないかと。

そうそう、

丼ものにせずに、フェイクうなぎを、わさび醤油でつつきながら、冷酒でいただくのも、なかなか乙でありました。

いかがでしょうか。

やはり季節のものを楽しむ余裕を持ちたいものです。

本物と違ってこれはこれで風味がありますので、ぜひ、お楽しみくださいませ。

 

飯だけでなく、晩酌にも、なかなかよろしいです。

松沢直樹

福岡県北九州市出身。主な取材フィールドは、フード、医療、社会保障など。近著に「食費革命」「うちの職場は隠れブラックかも」(三五館)」近年は児童文学作品も上梓。連合ユニオン東京・委託労働者ユニオン執行副委員長