午前九時、三度寝のち起床。天井は白い。寝ぼけ眼の中、昨日から考えていた計画を実行する。
ステーキとの対峙
それは、朝からステーキを食べること。朝から大贅沢(おおぜいたく)をしてるかのように感じ取り、わきを固める俳優陣なんて必要なく、さながらピノのアーモンド味のような存在感を放つ肉塊。それを朝から焼いていくのだ。
ちなみにこれはおつとめ品だ。なので生(き)で行こうもんならもれなく腹痛を皮切りにありとあらゆる悪魔が襲ってくるであろう。それを防ぐためにも、しっかり焼かねばなるまい。
それなりのサイズのフライパンに、現代アートのようなサイズ感の牛脂がチチチチチチチチ…と音を立てながら身を削っている。彼には申し訳ないが、これは定例取締役会その4で決まったことなんだ。ごめんよ。
こうしておれが肉を焼いてる間でも、マーライオンはけなげに水を出しているのだ。あいつは頑張っている。
そうして、どんどんと肉に火が入っていく。これ、本当にマッサージなんですか…?(間奏 45秒)
シェイクスピア大全集で部屋にいた虫を撃退しようしたあのころの記憶が脳裏にふと出てくる。きっとそれも、未来への道しるべになるから。
焼けた。焼けていた。きっと地球儀の前のおともだちもさぞかし喜んでいるだろう。それではみなさんお待ちかねのナイフのコーナーです!
赤い。戦う前から気持ちで負けてどうするんだ。でもこのままじゃ間違いなくあたるので、チン(レンジで。)
戦いを終えて
朝からステーキ。それはかなりいい体験だった。贅沢かつ、幸せな体験ができるし、朝から肉を焼くことの特別感。__________至極。

