『映画 THE3名様Ω〜これってフツーに事件じゃね?!〜』佐藤隆太&岡田義徳&塚本高史インタビュー 「この映画が初3名様でもいいと思う。ベストな入口だと思う」

  by ときたたかし  Tags :  

原作者・石原まこちんの人気コミックを実写化、佐藤隆太、岡田義徳、塚本高史のフリーター3人組が、ただひたすらファミレスで会話を繰り広げるだけの脱力感あふれるシチュエーションコメディの最新作、『映画 THE3名様Ω〜これってフツーに事件じゃね?!〜』が公開中です。

長く愛され続ける世界観は、どのように作られるのか。佐藤さん、岡田さん、塚本さんにお話をうかがいました。

■公式サイト:https://the3youngmen-omega-movie.com/ [リンク]

●本作は、2005年の実写ドラマ化から長く愛されている人気シリーズであり、映画は2022年の映画化に続く第2弾となりますが、改めてのオファー時のお気持ちはいかがでしたか?

岡田:オファーという形ではないんですよ。

塚本:「やれますか?」「やりたいね?」みたいな。

佐藤:みんなでいつも集まって作戦会議をしていまして、そこで相談しながら、なんです。なんなら僕たちの無茶ブリを監督の森谷さんが聞いて「えー!」と驚くみたいな。

塚本:「またやる!?」みたいなね(笑)。

岡田:汲み取っていただいています(笑)。

佐藤:「えー!連ドラー!?」みたいな(笑)。森谷さんが、僕らのそういう想いを全部叶えてくださっているんです。なので驚きというよりは、本当に実際に漕ぎ着けてくださったという感謝のほうが強いですね。

塚本:やれるんだっていうね。

佐藤:やらせてくださるんだっていう感謝ですよね。

岡田:なのでチームでプロジェクトをやっている感じなんです。

●なるほど、みなさんも中心になって作られているんですね。

佐藤:前作から始まった映画化に関しては、森谷監督のアイデアなんです。僕は前回12年ぶりに復活した際にそれだけで終わってしまうのが嫌だから、次を考えた時に「連ドラがいいです!」というお話をさせてもらいましたが、「映画にしちゃおう」というアイデアを提案してくれたのは森谷さんでした。

●エピソードはどのように作られたのですか?

佐藤:原作をまた読み返して、今回やりたいエピソードを出し合って、そこで出たラインアップを森谷監督が全部組み立ててくれました。僕たちがやりたいことを汲み取りつつ、きれいに今回も整えていただいて。

塚本:もともとひとつのエピソードへ最後でつながるという仕掛けを考えていたので、最初はまったく違うアイデアだったんです。でも、それが上手く行かないところがあり、一度全部まっさらにしましょうということになりました。でも、オチを付けるじゃないけれど、そういう作りにしたかったんです。

佐藤:そういった意味では、とても恵まれている環境だと思います。演者がここまで脚本の段階から踏み込ませていただいていて。お互いの信頼関係もこれだけ長くやって来たからこそという背景はあったと思います。

岡田:モノづくりとしては、とてもいい作り方だと思いますね。役者もストレスを抱えないというか、「ここなんだろう?」という疑問を全部解消した上で現場にも入れたので、とてもやりやすかったですね。

●ちなみにDVDシリーズだった頃の作品を、改めて観直したりしましたか?

岡田:そうだ、若い頃の映像観たじゃない?オレ酷かったよね?(笑)

塚本:あんたただのヤンキー(笑)。オレ以上に不良だよ!

佐藤:不良だったのか!

岡田:まっつんがけんかしているシーンの昔の映像を観たのですが、ただ怒っているだけでした(笑)。

塚本:リアル岡田義徳!

佐藤:むちゃくちゃ怖かった!

岡田:それがこうして年月を経て、今はまっつんというキャラクターになって怒っていると思う。それって変化だなと思うんです。この間、観ていて面白いなあと思いましたよ。

●そしてシリーズ最新作、サプライズな展開もありましたが、おすすめポイントはいかがでしょう?

塚本:僕が客観的に思っているのは、2年に1回は新作を作りたいということなんです。オリンピックは4年に一度だけれど、本当にお祭りみたいなものだと思っていて。この3人に会いに行けるフェスじゃないけれど、(DVD第1弾の発売日が2005年8月3日ということで、)8月3日は“THE3名様の日”としているのですが、夏の終わりかけに公開されるような、僕らに会えるお祭りみたいなものだと思っているので、それが続けばいいなと。

佐藤:これはいつも言っていることなのですが、このTHE3名様は19年前から始まっていて。シリーズ作品を途中から入るのって、けっこうハードルが高いと思うんですよね。でもこの作品に限っては、本当にどこから観ても全然問題ないんですよ(笑)。短いストーリーの連続なので、いままでの経緯を知らなくてもまったく問題ない。

●おっしゃるようにシリーズ作品が抱える課題はないかも知れませんね。

佐藤:なんならこの映画はハナシの流れがいいから、この映画が初3名様でもいいと思う。ベストな入口だと思う。なので観たことがないからと敬遠するのではなく、ぜひ新しい方にも観ていただけたらいいなと思ってます。

岡田:これを観て昔のを観てもらうと、うちらの経年劣化もわかる(笑)。

塚本:若かったなー!

佐藤:そんな楽しみかたもある!(笑)

■ストーリー

深夜のファミレスに集うミッキー、まっつん、ジャンボのフリーター3人組。

今夜もいつものようにゆるいトークを繰り広げる3人だったが、突然夜空に閃光が走るのを目撃する。

さらには、平和なファミレスを脅かす招かねざる客までもが登場し・・・?

はたして3人は愛するファミレスを危機から救うことができるのか!?

THE3名様史上、かつてない長い夜の幕が上がる!!!

公開中

ときたたかし

映画とディズニー・パークスが専門のフリーライター。「映画生活(現:ぴあ映画生活)」の初代編集長を経て、現在は年間延べ250人ほどの俳優・監督へのインタビューと、世界のディズニーリゾートを追いかける日々。主な出演作として故・水野晴郎氏がライフワークとしていた反戦娯楽作『シベリア超特急5』(05)(本人役、“大滝功”名義でクレジット)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)など。instagram→@takashi.tokita_tokyo