日本のJAXAによる小型月着陸実証機SLIMが月へと到達したのは2024年1月20日のこと。過酷な月面という環境下で、今もなお、稼働し続けていることが判明した。
小型月着陸実証機SLIMが高解像度の画像を地球に送信
SLIMの情報を伝えている公式X(旧Twitter)によると、月面は状況によりあまりにも大きな温度差があるようで、SLIMの一部機器が100度以上だったこともあるという。
ここまでの高温は想定していなかったようだが、それでも温度が下がったタイミングで高解像度の画像を地球に送信し、それをXにて公開している。すごすぎる!
<小型月着陸実証機SLIMのXツイート>
「昨晩は少し温度が下がったため先日撮影した航法カメラのデータを無圧縮で受信しました。遠方の十字配置のクレーターまでは約7km、その後ろの山までは約29kmあります。大気によるかすみがないことや地平線までの距離がことなることから距離感が地球とだいぶ異なります」
昨晩SLIMから応答があり、SLIMが2回目の越夜に成功したことを確認しました。昨晩はまだ太陽が高く機器が高温であることから急ぎ航法カメラによりいつもの風景の撮影などを短時間実施いたしました。#JAXA、#SLIM、 #たのしむーん pic.twitter.com/vAWgh6K7NH
— 小型月着陸実証機SLIM (@SLIM_JAXA) March 28, 2024
取得した機体データによると一部温度センサーや既に使用していないバッテリーセルに不調が出始めていますが、1回目の越夜で確認した主要な機能は2回目の越夜でも引き続き維持されているようです。#JAXA、#SLIM、 #たのしむーん
— 小型月着陸実証機SLIM (@SLIM_JAXA) March 28, 2024
今晩あたりからSLIMの起動に足りるほどの太陽光が太陽電池にあたっていることが期待されています。SLIMプロジェクトチームは本日より、2回目越夜後のSLIM再起動に向けた復旧運用を実施します。#JAXA #SLIM #たのしむーん
— 小型月着陸実証機SLIM (@SLIM_JAXA) March 26, 2024
昨晩は少し温度が下がったため先日撮影した航法カメラのデータを無圧縮で受信しました。遠方の十字配置のクレーターまでは約7km、その後ろの山までは約29kmあります。大気によるかすみがないことや地平線までの距離がことなることから距離感が地球とだいぶ異なります。 pic.twitter.com/Q54k77l7tR
— 小型月着陸実証機SLIM (@SLIM_JAXA) March 29, 2024
信じられないほど過酷な環境下で撮影に成功したSLIM
無圧縮の状態で地球に送信された月面のようすは、29キロ先までくっきり! 前回、高温時に撮影した画像よりも、ハッキリとした画像になっているのがわかる。信じられないほど過酷な環境下で撮影に成功したSLIM、何度も言うがスゴイ!
熱湯かそれ以上の温度
今回のSLIMのツイートによって、探査機にとって温度が重要なことがわかった。100度以上といえば、熱湯かそれ以上の温度である。今後も撮影は続けることができるのか!? SLIMのツイートに注目したい。
月の夜は寒かったけど、逆に月の昼はものすごく熱くなるんだ。昨晩地球と通信したとき、一部の機器の温度は最初から100℃を超えていたよ。こんなに高い温度は想定してなかったけどそれでも動作するなんて宇宙用の電子機器はすごいね!#SLIM #JAXA #たのしむーん pic.twitter.com/fi1rXz3emh
— 小型月着陸実証機SLIM (@SLIM_JAXA) February 26, 2024
※記事画像は小型月着陸実証機SLIMのXツイートより