筋膜リリースという言葉をご存じだろうか。指圧やマッサージで筋肉をほぐし、肩こりや腰痛を緩和させるというのはよく知られているが、筋膜リリースとは皮膚と筋肉の間にある結合組織である筋膜を皮膚側から吸引することにより広げ循環を良くすという手法である。
その筋膜リリースを岡山市のMJカンパニーが開発したメディセルという専用のリリース機器で記者自身が試してみた。
そうは言っても強力な負圧で強引に吸引するわけではなく、マシンを手に当ててみると掃除機なんかよりも比較にならないほどの弱い吸引力なのがわかる。容易に離れ、目で見ていても強力ではない。
筋膜をリリース(戻す)ことにより、体液(主にリンパ液)の循環が良くなり、機械に例えると滑りが良くなり動きがスムーズになるということだ。この循環が悪いと、人に例えるならば体にぴったりのスエットスーツを着用しているような状態で、非常に体が動かしにくい。皮膚と筋肉の間をあけてやることにより滑らかに動くようになるというのだ。
早速、首周りからやってもらうと、見る見るうちに真っ赤になっていく。吸引力は手で試した時と同じごく弱いものだ。しかし筋膜が固着した状態から解放されると、そこに体液が流入して血色がよくなるので真っ赤になるのだ。
肩から背中をやってもらうと、強引に吸引しているわけではないのに筋膜が固着しているところはかなり痛い。そこがいわゆる「いけないところ」なのだ。施術後は肩が上がり左右で高さが違うのが目視できたほどだ。
この筋膜リリースは、歩きにくくなった老犬や競走馬、アスリート等の体を駆使するような人にはすでに積極的に活用されている。
記者のかかりつけ整形外科医にセカンドオピニオンを求めたところ、方法は違うが筋膜に生理食塩水を注入する方法で自身の体で筋膜リリースを試している(研究している)そうで、整形外科医の立場からは昨今、筋膜リリースは流行言葉ではあるものの本当に正しい筋膜リリースと言えるのは数少ないそうだ。その意味では筋膜リリースに特化した専用機器での施術なので体の動きが悪い、肩こりや腰痛、体が重いと感じる等の自覚がある方は試してみる価値はありそうだ。一般向けには美容サロンや整骨院等に設置しているそうなので、探してみていただきたい。なお馬用等の動物用は人用とはアタッチメントが異なるので安心していただきたい。
※写真はすべて記者撮影