林家たい平が、22日放送の『徹子の部屋』(テレビ朝日系)で、亡き三遊亭円楽さんとの不思議な話を明かした。
たい平は円楽さんについて、「僕は、こん平(師匠である林家こん平)が倒れたあとからの“育ての師匠”だと思っています」と語り、「落語についてもいっぱい教えてもらった。だから師匠であり、兄貴のような存在であり、生意気ですが、友達のような時もある」と告げた。
そんな円楽さんの性格について彼は「みんなとワイワイガヤガヤするのが好きだった」と振り返りつつ、北海道での落語会が終わり、打ち上げをしていたときのエピソードを披露。
「その時期には北海道にいないはずの大きなハエがずっと、僕の周りを飛んでる。鼻に止まったり、おでこに止まったり……途中で気づいたんですよ。これ、円楽師匠だ。楽しそうに盛り上がっているのを見て、ハエになってこの打ち上げに参加してるんだ」と思ったそう。
最初はこの“発見”を「自分の心のうちにしまっておいた」という、たい平。だが円楽さんの弟子が、そのハエをお品書きの板で殺そうとしているのを目撃。「これはちょっと黙っていられない! “そのハエは円楽師匠だぞ!”……主催者に“たい平師匠、疲れてますね”と言われて僕だけホテルに戻されました」と苦笑い。
翌日、別の公演先に移動するバスに乗ると、たい平が乗ったシートの前に、ずっとハエが止まっていたという。
先日、「博多・天神落語まつり」で一席を終えた、たい平。円楽師匠の想い出を話して楽屋に戻り、着替えようと着物を脱いだ瞬間、あろうことか懐から一匹のハエが飛び出て来たという。たい平は「いつ入ったのか」と驚きつつ、「今見た? 円楽師匠だよ」と周りの落語家に報告すると、「やっぱり疲れてますね」と指摘されたと振り返っていた。
中村獅童が以前、歌舞伎界に伝わるハエの伝説を語っていたことがある。彼によれば、ハエは先々代の勘三郎のおじいさん(17世中村勘三郎)の生まれ変わりと言われていて、勘三郎家では絶対にハエは殺さないのだという。また歌舞伎をやっている最中にハエがとまった時は、その勘三郎さんが助けにきてくれたと思うそう。
いつもはわずらわしいハエ。なぜか自分のところばかり寄って来るときは、何かあるのかもしれない。