新藤まなみ、初主演映画『遠くへ,もっと遠くへ』出演で母親をイメージ 「女性としても人としても、一番かっこいい存在なんです」

  by ときたたかし  Tags :  

「王様のブランチ」リポーター出身であり、昨年デジタル写真集で話題をさらった新藤まなみさんが、いまおかしんじ監督の映画『遠くへ,もっと遠くへ』で映画初主演を飾りました。離婚を考える結婚5年目の人妻・小夜子(新藤)が、ある日、不動産屋の男・洋平と知り合い、とある目的を果たすため風光明媚な北海道へと向かう物語。小夜子と出会う男・洋平役の吉村界人さんとともにいまおか作品に参加した感想をうかがいました。

■公式サイト:http://legendpictures.co.jp/tokuhe/ [リンク]

●今回の映画、まずオファーがあった際、率直にいかがでしたか?

まず自分が映画で主演を演じることが初めてだったので不安だったことと、わたしがどういう人物か製作の方たちが会って決めたいとのことで一時間くらい会ってお話をしたのですが、そういうことも初めてのことでした。とてもうれしかったので、より気合いが入りました。

●小夜子という役柄については、どういう印象をお持ちになりましたか?

そのままではないのですが、メンタルが強いところなど性格など自分と似ているところもありました。でも、弱い部分もある。小夜子も洋平をいろいろと連れ回すのですが、フラれてしまったり、弱さもあるんですね。不安を感じたりするところも近いかなと思います。

●初主演とは思えないほど堂々とされていましたが、感想は?

やりきったなという感覚はあります。あとはカイティー(吉村界人)が同い年でゆるキャラなので面白くて、けっこう話す時間が多かったです。あと和田(瞳)さんとは先輩ならではのお話を聞いて充実していました。

●特に達成感を感じたシーンはありますか?

やはり濡れ場ですかね(笑)。ただ、ご覧になった方はわかると思いますが、要所要所でいまおか節のドラミングと言いますか、たとえば「ゴリラで出ていって」という演出などがあり、心情の理解が大変ではありました。濡れ場にもいまおか節があり、とても難しかったです。

●作品が投げかけるテーマについて、ご自身ではどう受け止めましたか?

この作品をやるにあたって母親に相談したんです。主人公は離婚したい人で、わたしは結婚・離婚の経験がないですが、母には経験があるんです。女性としても人としても一番かっこいい存在が母親なので、そもそもわたし自身の人生のテーマが、母親のような人間になりたいなんですよね。この映画を通して、改めてわたしは母親を目指しているなと思いました。

●初主演の経験を踏まえ、今後はどこを目指しますか?

今までモデル・タレント・リポーター・グラビア、MCなど、いろいろな仕事をやってきて全部大好きなのですが、お芝居が一番好きなんです。お芝居には自分の経験も組み込めて、いいことも悪いこともぶつけられるものがお芝居なんです。辛くてトラウマになっていたことが、あえて表現することでリカバリーにもなる。仕事なのですが、発信することで自分も浄化されていく感じが好きです。これを機に広げていきたいです。

●今日はありがとうございました!最後に一言お願いいたします。

みなさんいろいろな経験をしていると思うので、いろいろな世代の人が共感できると思います。いまおか節も楽しいのですが(笑)、きれいにまとまってかっこいい作品になっていると思うのでぜひ観てください。

■ストーリー

結婚5年目の人妻・小夜子は年上の夫との将来を描けずに離婚を考えていた。 ある日、友人のアドバイスもあり離婚後の住まいを探しはじめた小夜子は不動産屋の男・洋平と知り合う。 物件を見ていくうちに年齢も近く楽天的で話しやすい洋平に小夜子は心を開いていき、離婚を考えていることを明かす。

二人の距離はどんどん縮まっていくが、洋平が失踪した妻・光子に未練を残していることを感じとってしまう小夜子。 「奥さんに会ってはっきりさせるべきだ」と洋平をけしかけ、僅かな手掛かりを頼りに北に向けて二人の旅が始まる。

全国順次公開中
(C) 2022レジェンド・ピクチャーズ

ときたたかし

映画とディズニー・パークスが専門のフリーライター。「映画生活(現:ぴあ映画生活)」の初代編集長を経て、現在は年間延べ250人ほどの俳優・監督へのインタビューと、世界のディズニーリゾートを追いかける日々。主な出演作として故・水野晴郎氏がライフワークとしていた反戦娯楽作『シベリア超特急5』(05)(本人役、“大滝功”名義でクレジット)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)など。instagram→@takashi.tokita_tokyo