神奈川県のとある国道沿いに「謎の自動販売機の館」があるらしいとの情報をキャッチした筆者は、その幻の館を肉眼で確認する為にバイクを走らせた。
軽く寝坊して深夜1時に出発し、大型トラックの車列に揉まれながら現地に到着したのは、ちょうど2時過ぎであろうか?
節電の為に街灯が減らされた国道は漆黒の闇に包まれ、その館だけが煌々とした光を放ち、まるで異世界に引き込まれたような気分にさせる・・・
これが国道沿いではなく「霧の立ち込む森の奥深く」にあったなら、確実に「少女を運ぶ謎の老人」が住んでいそうな怪しさです。
その「館」はガラス張りで中には自動販売機と思われるモノがびっしりと並べられているが、深夜と言う事もあり人の気配はない・・・
そして看板には「湘南クッキー」と言う大きな文字と
「ハジメマシテ・・・”しょうにゃん”とイイマス!!」
と絶妙かつ微妙なセリフが吹き出しに書かれた「イタカワイイ」謎のキャラクターがあります。
やはり猫系となると「キティちゃん」的な何かになりがちなデザインが溢れる昨今、あえて「やや微妙」な感じにまとめられたキャラクターには、上司から「著作権を侵害しないように」と言われて悩みに悩んだデザイン担当者の怨念にも似た苦悩が感じられます。
ここで筆者のデジカメにトラブル発生!
「しょうにゃん」(イタカワイイ)を写真に納めようとしたらデジカメが起動しないと言う・・・
バッテリーはバッチリ充電したはずなのに・・・
念のためにバッテリーを取り外して入れ直し、再び起動を試みるもデジカメはピクリともせず撮影不可で御座います。
若干、寒いからかな~とか、バイクの振動ハンパねぇし壊れたかな~みたいな要素も考えられますが、ちょっとビビリ入りますね・・・
とりあえず携帯のカメラにより撮影を続行します。(画像が粗いのは御了承下さい)
そして筆者は意を決して「謎の自動販売機の館」に単身乗り込む事にします。
その扉はガラスで作られていて、時に建物全体に溶け込んでしまい「ちょっと入り口が分かりにくい」のですが、「イタカワイイ」(しょうにゃん)の下が扉になっているので、慣れれば問題ないでしょう。
扉の前で待つこと数秒・・・
「自動販売機がこれだけあって・・・入り口の扉は手動だと?」
開くはずも無い扉の前で、数秒間固まっていた筆者っていったい・・・
ってか、そこは最初に自動化すべき案件だろ>>>館の主
館の中を見回すと、そこには「クッキー」の自動販売機らしきモノがぎっしりと・・・
「こ、こんなにクッキーの種類が・・・あると言うのか!」
まさか「湘南クッキー」とは書かれていたが、本当に「クッキー100%」で自動販売機を揃えるとは・・・
しかも「クッキー100%」なので飲料系の自動販売機が一台も無い「ノー・ドリンク状態」になっていると言う罠。
あたかも「ここで休憩してね♪」的なテーブルを配置して、クッキーをその場で食べさせる方向にモチベーションを高めさせつつも、実は飲み物は一切ないので
「口の中、パッサパサですが・・・」
みたいな巧妙なトラップになっているので要注意です。
このガラス張りの館の中は水分ゼロと言う・・・恐るべし>>>湘南クッキー
そして自動販売機の中を見ると、色々なクッキーが謎の安さで売られています。70円~箱入りのちょっとお高いセットまでピンキリです。
そして微妙に「湘南」をフューチャリングした感じの商品がラインナップされていますが、いかんせん
「クッキーと湘南って・・・さして接点ないよね?」
みたいなモヤモヤ感が全開で筆者的には「一周回って逆に新鮮!」みたいな感動があります。
しかも、湘南と言う程に「湘南」じゃない場所(平塚市東八幡)に、あえて「館」があるってのも凄いです。
さらに「館」の内部を観察すると、微妙に冷蔵機能搭載の自動販売機に入れられた「要冷蔵」の商品などもあり、何気に「湘南クッキー」の本気を感じる事が出来ます。
他にも「何故かそこだけ自動化されていない扉」の前を通る度に、防犯カメラのフラッシュがパシパシと発光されるのが、若干ウザいながらも逆に「防犯」に対する「湘南クッキー」の妥協無き姿勢に感心してしまいます。
とにかく安い・・・
若干、「九助」(キュウスケ)って事もありますが、これは100均で買う「箱ばっかりで中身の少ないクッキー」と比べても超お買い得でしょう。
なにせ「2袋で300円」とかもありますからね。やや賞味期限が近いとは言え、このボリュームですから狙い目です。
ちなみに「九助」は煎餅やクッキーのB級品で、製造過程で端っこが欠けてしまった可愛そうなモノ達の事です。
無論、同じ材料で同じ行程を踏んで作られているので、当然「味」は本来の正規品と一緒で、自分で食べる分には何も問題はありません。
ここはもしかして、クッキーマニアにとっては楽園なのでは?
しかし、さしてクッキーを欲していない筆者には「箱に入れなかったクッキー達の墓場」と感じてしまう異様な空間・・・
そんな筆者ですら、ついついクッキーを買ってしまう何かがある場所・・・
貴方も是非、「湘南クッキー工場直売店」で「しょうにゃん」に会いましょう。
ちなみに「湘南クッキー」の味の方ですが、これはズバリ美味しいと思います。クッキーで有名な「ちぼり」がある湯河原生まれの筆者が言うのだから間違いありません。