毎度恒例の季節向け特集記事は夏を前にした梅雨バージョンだ。そうでなくても鬱陶しい日々が続くが、コロナ騒ぎ以来2回目の梅雨を迎え一層憂鬱になりがちだ。
そんなジメジメの季節にピッタリの製品や夏に備えての逸品を記者の独断で集めてみたので、アイテム選択の参考にしていただきたい。
今回は厳選したアイテムが思いのほか多くなったので二部構成でお届けする。本稿はその第1回目でメニューは以下のとおり。
・アパガードプレミオ
・OCLESS(超小型ポータブルファン)
・減煙グリルプレート「肉祭り」
・羊名人
・豚嘻嘻(とんきっき) 特製肉餃子
・渋谷で降られたらオリジナルビニール傘!
・ママラクリーン
※参考記事
巣ごもりの『梅雨向けアイテム特集』は2回に分けて厳選品を紹介!その2
https://rensai.jp/350782 [リンク]
アパガードプレミオ
サンギの歯磨きブランドは以前に海外旅行アイテムとして取り上げたことがある。今回取り上げるのはリモートワーク等で活躍しそうなホワイトニングに注力した「アパガードプレミオ」である。
「芸能人は歯が命」というキャッチを覚えている方にはおなじみだろうが、消費者にかなりのインパクトを与えたCMで、同社によると1年分の在庫が1週間で売り切れたという。これからもお分かりのとおり、本品は新製品ではなくロングセラー商品である。
一般的にメディアは話題性のある新商品を追いがちだが、記者の価値観は「ロングセラー商品は理由がある」である。すなわち、長きにわたり消費者に愛され続けている商品だからこそロングセラーなのであって、そういったものが悪いものであるはずがないと考えている。無論メーカーはマイナーチェンジや改善は行っているはずだが、基本的なコンセプトは変わらず愛されるものを提供し続けていることには変わりがない。そのような価値観からロングセラー商品を改めて見直し記事として取り上げることにいささかのためらいもない。
話は戻るが、美白系の高機能歯磨き粉(昔は粉末だったが現在はペースト状のものがほとんどなので歯磨き剤という言い方が正しいが本稿では広く使われる一般名詞の歯磨き粉という)は数日使用しただけでどうなるものでもないので、そこはロングセラー商品ということを信じることにする。
さて、歯磨き粉の役割には虫歯の予防をはじめとする歯の健康に寄与することが挙げられる。本品は医薬部外品なので配合成分による効果・効能が認められている。ちなみに歯磨き粉や石けんには薬用と記載されることが多いが、医薬部外品も薬用も基本的には同義である。ざっくりいうと一般用医薬品の中でも特に治療ではなく衛生や予防に関するもので化粧品の上というカテゴリーであり、薬剤師がいない店舗でも販売が可能なものである。
本品の有効成分は「薬用ハイドロキシアパタイト」で歯や骨に含まれるリン酸カルシウムの一種である。歯を磨く研磨剤ではなく、吸着除去するので歯を削らずに済むばかりか細かい傷を埋めてくれる効果を持つ。またエナメル質から溶け出したミネラル成分をカルシウムイオンとリン酸イオンで補給し虫歯の初期であれば再石灰化を促してくれる効果も持つ。
最後に肝心な使用感だが、良薬口に苦しなのかと思ったらそんなことはなく、いわゆるミント系ガムに最も近い清涼感のある味ではないだろうか。表現の良し悪しは別として「美味しい」歯磨き粉である。そして使用後のツルツル感は1回でわかるので美白は使い続けながら、美味しさと清涼感は初回から感じてまだまだ続くであろうリモートワークでのHDや4Kでの送信映像に自信をもって臨んでいただきたい。
OCLESS(超小型ポータブルファン)
リスティックが輸入・販売するOCLESS(オクレス)は、超小型のポータブルファンである。
超小型ながらファンの回転は最高毎分20000回転で、PCの静音ファンのおよそ倍、高負荷がかかる高性能PCと同程度だ。風の強さは3段階で最高のターボモードであればその風速は秒速6.5mにもなる。これはビューフォート風力階級では風力4に相当する。陸上では砂埃が立ったり小さなゴミや落ち葉が宙に舞ったりすし、海上では小さな波が立ち白波が増える。
これだけ強力なモーターで回転させると置いて使用すると、その回転力により本体自体が回転をはじめ使い物にならない。しかし本品はの質量は89グラムなので、スマホよりは断然軽いが超小型のポータブルファンとしては重量級なので動かない。底面に滑り止めシートが貼ってあることもあるが、その質量のほとんどはバッテリーが占めるのでロングラン運用が可能なバランスの取れた設計になっている。また本品の充電にはType-C端子を使用するので、最近のスマホに使用するケーブルであればたいていは使えるのもうれしい。USB充電をする家電製品はマイクロUSBがまだまだ多いのだが、主に使用するスマホはType-Cに移行しているので昔のケーブルを引っ張り出してもう1本用意する必要はない。
本品のキャップは使用時には底面に付けることができるので、手持ち使用の際には本体を伸ばすのと同じになり持ちやすい。ファン部分は45度まで傾くので机に置いてちょうど顔に風が当たるようにもできるし、女性であればネイルの乾燥にも使用できるだろう。
では実際の風量を簡単に実験してみたのがこの写真である。オイルライターは多少の風では消えはしない。写真上がファン停止時であり、下が炎の若干左下からターボモードで本機を動作させたときのものである。炎はまだついているが、この状態でタバコに火をつけるのは難しいばかりか、撮影の5秒後には鎮火してしまった。
小径でこれだけの強力な風を生み出すにはプロペラの設計もそうだが、強力なモーターがなければ不可能であろう。意外に空気の抵抗は大きいのである。梅雨のジメジメした時の清涼や、夏の暑い時期のポータブル扇風機としてカバンやポケットに入れておいて損をすることはないだろう。
減煙グリルプレート「肉祭り」
アピックスインターナショナルが販売する肉好きのための減煙グリルプレート「肉祭り」は、お一人様でも本格的な焼き肉を楽しむことができるロースターである。
大きさはA4サイズほどで1-2人で焼肉を楽しむのにぴったりな小型なものだ。
特徴はヒーターをプレートに直付けする事で高火力を実現、いわば直火焼きとも表現できようか。またプレートホール(穴の開いた溝)が無駄な油を油受けに落とすので、煙が少なく油ハネも少ない焼き肉を実現する。
AC100ボルト電源があれば小型でどこでも使用できるので、思い立ったときに焼き肉を食べることができる。ヒーターとプレートが一体型なのは、前述のとおりのメリットがあるほか、分解洗浄が簡単なのでお手入れをさほど気にする必要がない反面、プレートを用途に応じて付け替えることができないという欠点は併せ持ち、これはトレードオフの関係であり仕方がない。しかしながら普段はフライパンで焼いて調理するところを本品を使えば用途は広がるのでさほどのデメリットではない。
実際の調理例は次項で羊肉を焼いたので、そこで詳報するが確かに煙は少なく、部屋がもうもうになることはなかった。また油の多くが水を張った油受けに落ちて凝固したので脂が燃えることはなく、直後の部屋のニオイは仕方がないにしても、換気を行えばすぐに消えてしまうのもワンルームマンションには最適なのかもしれない。
羊名人
中華・高橋が販売する羊専用スパイス「羊名人(ようメ~じん)」は羊肉用の簡単で便利な振りかけるだけのスパイスである。
前述した減煙グリルプレート「肉祭り」でラム肉を焼いてみた。
本品は中國菜 老四川 飄香 井桁シェフ監修の羊肉料理のために開発された特製スパイスで、唐辛子の辛味にエスニックな香りのクミンを加え、羊肉の風味を引き立てる岩塩で仕上げたとのこと。羊の肉は北海道にでも行かない限り食べることは少ないが、その理由はやはり獣肉独特にニオイであろう。ジンギスカンでは特製のたれが付いていることが多く、そこに漬け込んで臭みを消すことがポピュラーな調理方法である。しかし羊肉のニオイは脂から発生しているので丁寧に脂身をそぎ落とす等の下処理を行えばずいぶんと食べやすくなる。
本品はそういった下処理をしなくても羊肉のニオイを抑えて味も付けてしまう簡便さがウリだ。一見したところ唐辛子の粉っぽく見るからに辛そうだが、実際にはさほど辛くはなく唐辛子、岩塩、クミンがちょうどよい塩梅(あんばい)で配合されている。
クミンとはカレー粉にも配合されているスパイスで、決してカレー味がするわけではないのだが風味は確かにカレーっぽいような感じはする。ゆえに本品をカレーに加えるとより風味豊かなものになるという。
羊肉だけではなくどんな食材に合わせてもOKな万能スパイスなので、調理済みの唐揚げやフライドポテト等にも使用できるようだ。記者は羊肉とともに厚揚げにもたっぷりと振りかけて一緒に焼いてみた。
辛すぎずエスニックスパイスのような強烈な香りがあるわけでもなく、羊肉のうま味はそのままに厚揚げのジューシーさもプラスしてピリ辛の美味しい食事になった。羊肉を食べるときはまったくニオイに気が付かなかったが、部屋の中は確かに独特のにニオイが漂っており確かに羊肉を食べた実感があった。
なお、前述の「肉祭り」のおかげでニオイを発生させる脂は下に落ちており、食後に片付けて風を通せば数時間後にニオイは消えてしまったので、これが魚や豚肉や牛肉でも動作原理は同じだと考えられる。
ステイホームもいい加減にストレスがたまり外で思いっきり羽を伸ばしたいところではあるが、そこはスーパーまでにとどめ肉や魚を買って夕食の楽しみにしてみてはいかがだろうか。
豚嘻嘻(とんきっき) 特製肉餃子
フタバ食品と言えば「サクレ」を連想するほど有名なものだが、実は餃子も販売している。もちろん栃木県の会社なだけあってかの有名な宇都宮餃子だ。
今回取り上げるのは同社が経営する豚嘻嘻(とんきっき)というお店の宇都宮餃子4種(特製肉餃子・特製野菜餃子・特製しそ入り餃子・揚げチーズ餃子)のうち特製肉餃子である。ところで、宇都宮餃子は有名だが、何をもって宇都宮餃子を名乗っているのだろうか。同社に取材したところ、宇都宮餃子は商標登録がしてあり宇都宮餃子会が管理しているということなので、取材の仲介をしてもらい同会に聞いてみた。概要はというと同会に所属する正組合員たる製造販売を行うものだけが宇都宮餃子を名乗ることができ、製法や材料、食べ方にも特に規定はないとのこと。要するに宇都宮で餃子を提供していて同会の規定に合致しておればどんな餃子でも自由だというのだ。その心は餃子そのものを規定せずに、お店やメーカーが自由にオリジナルの餃子を作ってもらい、食べる人にお店の数だけ宇都宮餃子を選択してもらう自由さを提供したいというものだった。よって似たようなものはあれども同じものはないと思った方がよい。
ということであればフタバ食品の餃子は何が特徴なのかを語らなければ宇都宮餃子と言っただけではわからない。
まずは肉餃子なので肉を語らねばなるまい。栃木県が誇るブランド肉「霧降高原豚」を使用し、飼料にはウコンを配合して育てた健康的なもの。
そしてもう一つ栃木県産なのはニラである。またその他の野菜もすべて国産にこだわり、季節により産地を変える等の工夫をしている。焼き上げた時のパリッとした食感と香ばしさとともに、もちっとした皮の弾力を両立させるギリギリの薄さが0.8ミリメートルだとのことで、これ以上厚くても薄くてもダメなんだそうだ。
最後の特徴は調理のしやすさである。冷凍餃子は生餃子をそのまま凍結させたものが多いが、豚嘻嘻の餃子は中心温度80℃で約2分間蒸し上げた後、マイナス20℃で急速冷凍する独自の製法を採用しているために家庭での調理でも安心で、かつ一度熱を通しているので生焼けの心配ご無用で失敗しない餃子が出来上がるのである。
さて、宇都宮餃子会に取材した通り食べ方も含めて自由だとのお墨付きを得たので、遠慮せずに自由な食べ方でチャレンジしてみた。実際の商品にはホットプレートやフライパンでの美味しい模範的な作り方が丁寧に書かれたマニュアルが入っているのでそれに従って調理すればよい。
さて、前述のロースターを使用して直火焼き風に焼き餃子を作ってみた。油は引かずに直接プレートに乗せて焼き上げたが、油脂が中からにじみ出てくるので焦げ目がつく程度に焼けばOKだ。
餃子そのものが持つ油だけで焼き、プレートから余分な脂は落ちるのでヘルシーに焼き上げることができた。食感は皮はかなりパリパリに、中はふっくらとなり最初は6個を焼いたがすぐに追加で焼いて食べてしまったほどだ。
次に水餃子にチャレンジした。
電子レンジ対応容器に冷凍のままの本品と前述した羊名人、そして以前に取り上げた北海道で作られたnシーズニングという万能調味料を一緒に入れて水を加えて電子レンジで8分ほど加熱しただけだ。そこまで煮込む必要はないのは本品は加熱済みの冷凍餃子だからである。
絶妙な厚さの皮からは豚肉の脂とダシが少し出るが、1つとして皮が破けることはなくうま味を閉じ込めてスープとともにつるっと入ってしまう。
本品は1袋に30個入っているが、あまりの美味しさに2日間連続でさまざまな方法で食べたらなくなってしまった。
今はまだ気軽に他県に旅行に行ける状況ではないので、美味しい冷凍餃子を家庭で楽しみつつアフターコロナにはぜひとも宇都宮に出向いて心行くまで餃子を味わいたいものである。
渋谷で降られたらオリジナルビニール傘!
プラスワンインターナショナルが展開する渋谷のPRINTONE(プリントーン)では、自分だけのオリジナル文字をその場でプリントしてくれるビニール傘を販売している。
同店ではさまざまなアイテムにオリジナルのプリントをしてくれる店舗で、Tシャツや缶バッジ等々数えきれないアイテムがあるが、1つから製作してくれるものも多くその場で受け取れるアイテムも多い。
今回取り上げるのは梅雨向けなので、ズバリ「傘」である。全国に同社が展開する店舗は存在するが、傘にプリントしてくれるのは渋谷の同店だけだ。
プレーンのビニール傘にはオリジナルブランド「Scramble Cross」のロゴが2か所に入っている。それ以外のところに自分だけの文字をハンドジェットというプリンターで入れていくのである。
もちろん速乾性のインクで雨に濡れても落ちることはない。
商業的にお店の名前やオリジナルブランド傘を作ることもできるが、個人ユースであれば名前やスポーツチーム、サークル名等を入れることが想定できるだろうか。
プリントする文字列を決めたら、フォントの大きさや位置合わせは経験豊富なスタッフが確認をしながらやってくれる。自分でやりたい人にはできないことはないが、失敗を考慮すると任せた方が安心だ。
自分だけのオリジナル傘であれば大切に扱うだろうし、置き忘れの心配も少なくなる。何よりも大切に長く使おうとする愛着により資源や環境保全に寄与することも考えられ、長い目で見ればコストパフォーマンスが高い1本と言えるだろう。
渋谷で降られてしまったときにはコンビニを探す前に同店に駆け込んで雨宿りがてら、自分だけの傘を製作してみてはいかがだろうか。
ママラクリーン
リベルタが販売する強烈なアルカリ電解水である「ママラクリーン」。何が強烈なのかというと、そのアルカリ性の度合いだ。公称pH値は13.2で、一般的なアンモニア水(水酸化アンモニウム)よりも高いアルカリ性である。
ただし中身はただの水である。それゆえに洗剤を使用したくない場所にも気軽に使えるというメリットがある。水を電気分解することで得ることができるが、家庭用の生成器でできるのは高機能なものでもせいぜいpH10程度で本品は電解質に炭酸カリウムを使用している。一般的には塩化ナトリウム(食塩)が使用されるが、炭酸カリウムは石けんの原料でもあり、業務用のオーブンレンジ等の洗浄にはズバリそのものが用いられるほど強力で安定している化合物である。
論より証拠で、手持ちのpH測定試薬で本品のpHの測定を試みたのだが、試薬の測定範囲外になってしまった。写真では光の透過具合でわかりにくいが実際の色は濃い紫色で、pH10.0を超えている。
メーカーを信用していないわけではないが、家庭用の電解水生成器は当然のことながら水道水を電気分解するために、生成した瞬間から急速にpHが変化していく。つまり時間の経過に伴い中性に戻っていくということだ。
よって本品も製造したてのものではなく流通経路を経て記者の手元にあるので、時間が経過している分だけpHは中性に近づいているだろうと考えたのだ。
しかし正確なpHはわからずとも測定試薬の結果からpH10.0を超えていることだけは確かで、安定してpH13.2を保っていることは事実と判断すべきだろう。
アルカリは特に油脂を鹸化するので、油汚れに用いると浮かせて落とす作用がある。強いアルカリ性の液体は指でこすると次第にヌルヌルしてくるが、これは指の油脂が鹸化していることに他ならない。中学校の理科の実験で誤ってごく薄い水酸化ナトリウム水溶液に触れてしまい指がヌルヌルベタベタした記憶をお持ちの方もいるだろう。
さて、pHによりアルカリ性であることが分かったので本品の威力を確認しようと電子レンジを数週間一切掃除せずにほぼ毎日使い続けた。それはもう、食材を入れた容器にふたもせずに飛び散るだけ飛び散らかせて、それが次回加熱されて焦げ付こうがこびりつこうがお構いなく使用し続けた。そのビフォーアフターの写真である。
数週間経過した後に本品を電子レンジの中にまんべんなくスプレーし、しばらく放置した後で布巾でふき取っただけである。他の洗剤や研磨スポンジを使用したわけではない。隅の方に焦げ付きが若干残っているが、水だけでこれだけ落とすことができれば後はもう少し念入りに磨けばよいだけである。
希釈しても使用可能なので、さほど頑固でもない場所には薄めて、洗剤を使用したくない場所には本品はそもそも水なので二度ぶきもからぶきも不要なのがうれしい。
手洗いの励行で手荒れが心配になってきた方には試してみる価値がある逸品である。
梅雨向けアイテム第1回目は、以上の7商品を取り上げた。例によって梅雨に限定したものではないが、この時期を契機としてライフスタイルに合わせて手に取っていただければ幸いである。
後日、梅雨が到来する前に第2回目の記事を公開する。
※写真はすべて記者撮影
※2021.05.23「その2」へのリンクを追記しました。