2020年から、小中学校でプログラミング教育が必修科されたことを知っていますか?
「AI」や「プログラミング」という言葉が、学校教育の現場にも浸透し始めています。
とはいえ、新しい試みである「プログラミング教育」を学校現場や家庭で「どのように学ぶか」が課題になっているようです。
くもん出版が行った調査によると、令和2年度の小中学校での「プログラミング教育」の実施率は28.1%だったそうです。
もっとも多く実施されていたのは小学校6年生で、約半数(48.8%)が該当しています。
一方で、どの学年も「わからない」という回答が多く、保護者にとって、まだまだ「プログラミング教育」の実態は不透明なのかもしれません。
そもそも、小中学校での「プログラミング教育」は何をするものなのでしょうか?
小学校でのプログラミング教育とは、文部科学省が掲げる3つの柱を元に、「コンピュータに意図した処理を行うよう指示することができること」を体験しながら、自分の意図する活動を実現するために、どのような動きの組み合わせが必要なのかを論理的に考えていく力を養う。ことを目的としているそうです。
プログラミング教育が育む資質・能力
学習指導要領はSociety5.0の社会を生きる子供たちに必要な資質・能力を3つの柱で整理しました。文部科学省は、この3つの柱ごとにプログラミング教育が育む資質・能力を説明しています。
(出典:文部科学省「小学校プログラミング教育に関する研修教材」https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/05/21/1417094_003.pdf)知識及び技能:
身近な生活でコンピュータが活用されていることや、問題の解決には手順があることに気付くこと学びに向かう力、人間性等:
発達の段階に即して、コンピュータの働きをよりよい人生や社会づくりに生かそうとする態度を涵養すること思考力、表現力、判断力等:
発達の段階に即して、『プログラミング的思考』を育成すること
学校教育におけるプログラミング教育がどのようなものだと思うか、についての質問では過半数の60.7%が「パソコンを使って授業を行う」を選択する結果になりました。
実際の「プログラミング教育」は、一体どういった科目として実施されているのでしょうか?
実際に「プログラミング教育」が実施された教科等としてもっとも多く挙げられたのは「総合」32.5%でした。ほかにも、「算数(数学)(25.4%)」や「国語(17.8%)」など、様々な教科にプログラミング学習が組み込まれているようです。
着々と実施が進む「プログラミング教育」ですが、保護者からの関心も高い傾向にあります。
小学校でのプログラミング教育の必要性について、小中学生のお子さんがいる保護者の74.4%が「必要性を感じている」、もしくは「どちらかといえば必要性を感じている」と回答しました。
その理由については「IT化が進んでいるから(75.2%)」、「論理的な思考力が身につくから(47.9%)」、「グローバル化に対応できると思うから(45.0%)」などが挙げられており、社会の変化や将来性を考えているような人が少なくないようです。
また、この調査ではITエンジニア・プログラマー」が将来、自分のお子さんが「就いてくれたらいいな」と思う職業の第4位に、(保護者自身が)もし今、自分が小学生だった場合に将来なりたいと思う職業6位にそれぞれランクインしていました。お子さんだけでなく、保護者本人にとってもITエンジニアやプログラマーは注目したい職業になりつつあるようです。
まだはじまったばかりの「プログラミング教育」は、今後、社会の変化に合わせてその存在を大きくしていくことが予想されます。
「プログラミング教育」は小中学生のためだけの学習ではなく、今後さらに加速するデジタル社会で暮らしていくために欠かせない学習になるかもしれません。
【調査概要】
集計期間:2021年1月21日~1月22日
調査方法:インターネット集計
調査対象:小学校1年生から中学校3年生のお子さんがいる30代、40代の男女
調査人数:全国601名
出典:「小中学校におけるプログラミング教育」に関する調査