脳に直接電極を差し込むことで大量の情報を瞬時にやり取りしたり、驚異的な反射神経や力を得ることが可能になる――SFでおなじみのそんなサイボーグ技術がまた一歩実現に近づいたという胸踊るニュースが飛び込んできました。
ただし、今回素体となるのはなんと、ゴキブリ!
米国ノースカロライナ州立大学の研究チームは、ゴキブリの触覚などに電気信号を送ることで、“馬を手綱で操るように”ゴキブリを無線操縦することができるバイオボット技術の開発に成功したと発表しました。
研究チームは、ゴキブリが主に触覚と尾角で周囲を検知して行動することに注目。触覚と尾角に直接電気信号を送り逃避反応を強制的に喚起することで、ゴキブリを遠隔地からでも自由に操縦できるということです。動画では、ゴキブリをまるでラジコンのように無線操縦して、S字に引かれた線の上から外れることなく走らせています。
同研究チームでは過去にスズメガやコガネムシに電極を埋め込んで羽ばたきを制御することにも成功。同様のバイオボット技術は今後さまざまな方面への応用が見込まれます。公式サイトからは、あの国防高等研究計画局“DARPA”へのリンクもあるので、ロボコップのような武装サイボーグも割と本気で計画しているのかもしれません。
ところで、今回の発表で1つ気になる点が……。それは、研究チームのAlper Bozkurt氏が、「このサイボーグゴキブリは地震で倒壊した建物で生存者を捜索する場合にも活用できるだろう」と語っていること。想像してみてください。押しつぶされて身動きがとれないでいるところに、こんなゴキブリがカサカサと近づいてきたら……うわああぁぁ!
Roach Biobot(YouTube)
http://youtu.be/gmbEX7zDzog
実験に使われたのはマダガスカルオオゴキブリ。日本でよく見かけるチャバネゴキブリと比べると、まだ少しは愛らしい姿なのが救い?
画像:研究チームの発表資料より
研究チームの公式サイト:http://ibionics.ece.ncsu.edu