2002年にテレビ東京で放送された渡辺浩弐氏原作のアニメ『プラトニックチェーン』(全24話)がエイシスの運営する『DLsite.com』など複数のダウンロード販売サイトで配信されていました。この件について渡辺氏が「配信を許諾した覚えはない」と表明した際のエイシス側の回答が、渡辺氏を激怒させたとして『Twitter』上で話題になっています。
『DLsite.com』など複数のダウンロード販売サイトでは『プラトニックチェーン』全24話を6話単位のパック販売で2011年8月から12月にかけて順次、配信していました。それから1年が経ち、渡辺氏のファンがアニメの配信に気付いて何の気なしに『Twitter』で紹介したのは今年の8月16日。ところが、21日になって渡辺氏がそのツイートに以下のようなリプライを返したことで事態が動き出します。
この件、初めて知りました……僕は著作権者の一人ですが許諾した覚えがありません。エイシスさんといったら大手です。驚き困惑しております。弁護士に相談してみます。(記録を兼ねツイートしました) RT : アニメ版「プラトニックチェーン」の有料配信
(出典URL: https://twitter.com/kozysan/status/237573347259592704 [リンク])
渡辺氏が「配信を許諾した覚えはない」と表明した直後に、アットリンクスが運営する『Digiket.com』は自主的に配信を停止しましたが『DLsite.com』の女性向けアカウントは渡辺氏に対して「対応中」である旨を自主的に報告して来ました。
@kozysan お世話になっております。DLsite.com です(女性向けアカウントから失礼します)担当に確認したところ、データ納品元より配信停止依頼が来ており、現在配信停止対応途中のことでした。もし何かあればお電話やメールでお気軽にお問い合わせください。
(出典URL: https://twitter.com/GirlsManiax/status/237844062806343680 [リンク])
結果的に、このコメントの「お気軽に」という言い回しが、著作権を侵害された被害者である渡辺氏の怒りを決定的なものにしてしまいました。
「お電話やメール」ではなく法的措置にて、「お気軽に」ではなく深刻に、アクションを起こそうと思います。これほど明白な事例は滅多にないと弁護士もやる気になっています(証拠データも保全しました)。※以降は公益性があると思われる情報についてのみ随時開示します。TL汚しすみませんでした。
(出典URL: https://twitter.com/kozysan/status/237929153050050562 [リンク])
今回はたまたま原作者が『Twitter』を通じて無断配信の存在に気付いたケースとなりましたが、まる1年にわたって無断配信が行われていたというのは驚くばかりです。ダウンロード販売がビジネスとして急成長した中で“最重要”と言うべき著作権処理が適当にスルーされて来たのだとすれば、そのような業界構造の歪みは早期に是正されるべきでしょう。
画像:DLsite Girls-Maniax(商業)トップページ