調理時間
炊く前10分、炊けたら1分
材料 2人分
米 1合
卵 1個
お味噌 スプーン2杯ぐらい(塩分濃度がお味噌によって違うのであくまで目安です)
ごま油
塩
作り方
【1】
米をとぎ、ごはんを炊く。炊くときに塩をふたつまみ。おまじない程度入れてください。【2】
卵をごま油で炒り卵にします。味付けは不要。
【3】
【1】と【2】を、お味噌を加えながら、混ぜて完成。あればネギなどを混ぜてもおいしいです。
【ワンポイント】
お味噌はいっぺんに混ぜずに少しずつ加減を見ながらにしましょう。
●いりたまごとお味噌の混ぜご飯のお話
「お姉ちゃんはおかずと甘いもの、あさみはお米ばかりたべるわね。足して二で割るとちょうどいいのに」。小さい頃、私たち偏食姉妹のことを、よくわたしのおかあさんがこんな風にこぼしていました。
ほんとうに、米ばかり食べる子だったようで、幼なじみのさきちゃんのおかあさんにも、「年長さんのとき、うちにお泊り会にきたとき、あーちゃんがフライパンでいためたばかりのチャーハンを全部食べた(だからみんなはチャーハンじゃなくて白いごはんと有り合わせのおかずで夕飯をすませたのよ)」ということを会うたびに言われます(もう許して…)。
おかあさんは、子どもの頃のわたしにおかずを食べさせるのに苦労したようです。
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子どもの頃の想い出の味は「ステーキのたれごはん」。
ステーキのたれ、といっても市販のものではありません。タマネギや人参やそのときに冷蔵庫にある野菜を細かく細かく刻んでいため、しょうゆと大根おろしで味を整えるという手の混んだもの。野菜を食べさせるためのおかあさんなりの工夫だったのだと思います。わたしはステーキには目もくれず、「ステーキのたれ」で何杯もごはんをおかわりしたのでした。
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もう一つの想い出の味が、今日作った「いりたまごとお味噌のまぜごはん」。
おかあさんはこれをおむすびにしてくれました。
名付けて「栄養おにぎり」。
「あーちゃん、今日は栄養おにぎりだよ」といって、幼稚園に持たせてくれました。
この組み合わせはわたしだけでなく、お米ぎらいの姉も大好きで、うちでは定番でした。姉に子どもができてからは、姉は子どもによく作っているようです。
幼稚園の先生たちに、わたしはずいぶん自慢したようです。
「今日のあーちゃんのおべんとうは、栄養おにぎりなんだよ!」と。
だから、幼稚園の先生たちは「栄養おにぎり」のことをみんな知っていました。
あ、もう一つ思い出した。「泣かないおくすり」。
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今のわたしはずぼらなのですが、子どもの頃はとても神経のこまい子だったようで、一日のスケジュールが少し普段と違うと心配になりよく泣いていました。
そんなときに舐めていたのが「泣かないおくすり」。
ただの浅田飴のことなのですけれど、あのおくすりっぽい味の飴を幼稚園の先生がたまにくれるのです。不思議な味ですごく好きでした。いつもはくれないのですけれど、わたしが泣くと、「あーちゃん泣かないおくすりだよ」といってくれるのです。浅田飴もいつまでも売っていてほしいなぁ。
「栄養おにぎり」は不偏的材料で作られているので、自分で作りさえすれば品切れすることも食べられなくなることもありません。
この「栄養おにぎり」にお醤油を少し塗って、焼きおにぎりにして、大葉ではさんでいただくと、大人の味になります。でも、わたしはこのままがいいなぁ。
このまぜごはんを食べると口の中だけ、子どもの頃に帰れます。
「栄養おにぎり」をつくってくれたおかあさんはもうこの世にはいません。
天国のおかあさん元気ですか?
●ごちそうさまでした。