「椎名林檎2世」 女子高生シンガーに付けられたキャッチコピーに波紋広がる

10月3日放送の「ZIP!」(日本テレビ)で高校生の新人シンガーみゆなさんを「椎名林檎2世」と表現したことに対し波紋が広がっている。

番組ではいま話題の人物を紹介するコーナー「ハックツ!」で「椎名林檎を彷彿させる歌声」などと繰り返しみゆなさんを椎名林檎さんになぞらえて表現。

これに対しTwitterなどSNS上では「みゆなさんにも椎名林檎さんにも失礼」、「ポスト椎名林檎として売り出されるアーティストが多すぎる」などと批判の声が巻きおこっているのだ。

「次世代を担うかもしれない可能性を秘めた若手のシンガーに椎名林檎2世とか、普通にあなたは二番煎じだって言ってんのと同じだから失礼だし椎名林檎にも失礼 あの鬼才が二人といると思ってるの?」

「椎名林檎2世って売り出しはキャッチーなだけで余計な先入観を与えるって意味で悪手だし、神格化するファンが相手を下げてイメージを諸とも悪化させるしでまるで良いところないな」

「BSで朝ドラ見てたので椎名林檎2世はさっき知ったけど、『〇〇2世』だの『ポスト〇〇』『〇〇の再来』って肩書きは好かんな。
だったらジャニーズの、例えばTOKIOに『男闘呼組2世』とかHiHiJetsに『光GENJIの再来』とか書いたりしてますか?って話。」

「椎名林檎2世がダメならルパン3世はテレビ出ちゃダメなレベルだな」

たしかに筆者が記憶する限りでも天野月子さんや大森靖子さん、黒木渚さんなど林檎さんになぞらえて売り出されたアーティストは数多い。

しかし、それはあくまで売り出し方、キャッチコピーであって、本人が志向する音楽性や世界観は千差万別。

みゆなさんにしても、過去に音楽メディア「Mikiki」のインタビュー(http://mikiki.tokyo.jp/articles/-/20633[リンク])に対し「椎名林檎さんが大好きで、その影響も大きい」と明かしているし、番組中で紹介された「ふわふわ」という曲の出だしが「罪と罰」(2000年)に似てるような気がするし、力みながら歌う表情も初期の林檎さんに似ているような気もするが、いろいろ楽曲を聴いてみると林檎さんとはまったく異なるタイプのアーティストであることがわかる。

みゆな – ふわふわ 【Official Music Video】
https://youtu.be/Xmpk_f8yeIY

なお、みゆなさんは番組中で林檎さんに例えられることについて

「すごく光栄ですけど、椎名林檎さん的にも申し訳なく思っちゃう……一度椎名林檎さんにお会いして聞いてみたい部分でもあります。(逆に)うれしいですか?って」

と謙虚なのか挑戦的なのかよくわからない発言を残している。

そう言えば筆者も売出し時に沢田研二さんになぞらえて「(大阪)ミナミのジュリー」なるキャッチコピーをいただいたことがあったが、これがまた不評で肩身の狭い思いをしたものだ。

今回の騒ぎがみゆなさんの負担にならなければいいのだが。

※画像はみゆなオフィシャルウェブサイトから引用しました
https://www.miyunamiyuna.com/

中将タカノリ

■シンガーソングライター、音楽・芸能評論家 ■奈良県奈良市出身 ■1984年3月8日生まれ ■関西学院大学文学部日本文学科中退 2005年、加賀テツヤ(ザ・リンド&リンダース)の薦めで芸能活動をスタート。 歌謡曲をフィーチャーした音楽性が注目され数々の楽曲提供、音楽プロデュースを手がける。代表曲に「雨にうたれて」、「女ごころ」(小林真に提供)など。 2012年からは音楽評論家としても活動。さまざまなメディアを通じて音楽、芸能について紹介、解説している。

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