イスタンブールの裁判所は、喫茶店でエルドアン大統領を侮辱する発言をした疑いで逮捕・起訴された75才の男性に対し、エルドアン大統領の伝記を含む24冊の本を読み、要約文を書き記せとの刑を宣告した。
アリ・シャヒン氏(75)は、喫茶店でエルドアン大統領を侮辱した容疑で警察から尋問を受けた。彼は否定し中傷だと主張。その後、保護観察処分とされ釈放されたが、その間に刑事裁判所から、24冊の本を読みその内容を要約して書き記すようにとの刑が宣告されたことを知ったという。
裁判所が指定した24冊のリストの中には、エルドアン大統領を称える伝記や、2016年7月15日に同国で発生したクーデターを批判する内容の本、急進的イスラム主義者によるイスラム教の解説書など、イスラム主義とナショナリズムに関する本が多い。また、ドストエフスキーの『罪と罰』、トルストイの『人はなんで生きるか』、ジョージ・オーウェルの『動物農場』などの小説も含まれる。
トルコでは2016年のクーデター未遂事件以降、エルドアン政権によって軍・警察、司法関係者から教育関係者、報道関係者まで数万人規模とも言われる大規模な粛清が行われた。その結果が、カフェで政治談義をすることすら危うい監視社会の到来と、個人の思想や信念にまで踏み込もうとするかのような今回の判決だ。24冊の中に、豚を独裁者に見立てて全体主義を風刺した『動物農場』が含まれているのは、裁判官のささやかな抵抗のようにも思えるが……。
ソースと画像引用:『turkishminute.com』『reddit.com』及び『いらすとや』より
https://www.turkishminute.com/2019/02/11/elderly-man-sentenced-to-read-summarize-erdogans-biography-for-insulting-him/[リンク]
https://old.reddit.com/r/worldnews/comments/aq4jeu/elderly_man_in_turkey_sentenced_to_read_erdogans/[リンク]
https://www.irasutoya.com/2014/07/blog-post_3020.html[リンク]