冴えない老人を中に仕込んだロボットが世間を騒がせるコメディ映画『ロボジー』(矢口史靖監督/2012年公開)の筋をなぞるかのようなニュースがロシアから飛び込んできた。
怪しいロボットが登場したのは、ロシアの若者を集めて行われた先端科学技術フォーラムでのこと。2足歩行可能な人型ロボットがステージ上で会話や軽やかなダンスを披露してみせ、その模様をロシアの国営テレビ『ロシア24』が「最先端ロボット」として放送した。
動画:Более 500 школьников со всей страны приехали в Ярославль на форум “Проектория” – Россия 24(YouTube)
https://youtu.be/4YUqUunt3Ns?t=152[リンク]
ロシアの少年たちにロボット工学の革新を伝え興味・関心を高めるために紹介されたロボットだったが、放送直後から一部メディアやネット民の間からは疑問の声が相次いだ。
「どこに“目”やセンサーがあるんだ?」
「なんでダンスに余計な動きが混ざるんだ?」
「なんで人がすっぽり入るデザインなんだ?」
「なんでロボットの声がホールのスピーカーから聞こえるんだ?」
そして検証が進められた結果、「最先端ロボット」が実はShow Robotsという会社が販売するロボットスーツであることが判明。要するにただのコスプレ衣装!
Show Robots公式サイト(http://xn--90azabhpc2b8a.xn--p1ai/costumes/6[リンク])より。身長165cmから185cmまで対応し重さは約10kg。フロントカメラ付きのタブレット、マイク、スピーカーなどを搭載してお値段は約43万円。
Первый день работы форума "Проектория" открыли 6 авторских уроков лучших педагогов Россииhttps://t.co/ON227RuGhz pic.twitter.com/YDeu8RW9un
— Вести-Ярославль (@VestiYaroslavl) 2018年12月11日
『ロシア24』が公式アカウントに投稿した写真でも、スーツの隙間から中の人の首が見えてしまっている。
フォーラムの主催者はロボットが“本物”であるとは主張していなかったということだが、『ロシア24』はロボットスーツであることを伏せ、まるで“本物”であるかのように放送した。つまり“炎上”上等で仕掛けた“釣り”だったわけだ。さらに“炎上”を受けて『ロシア24』は、「ウクライナのメディアが嘲笑的に報道しているけど、サンタのようなものだと誰でも絶対分かると思ったし、現場の学生たちも“中の人”に気付いていたよ」などと、開き直りの“後釣り宣言”にも聞こえる釈明を放送している。国営テレビが“釣り”ニュースを放送するとは、まったく、おそロシア!
画像とソース引用:『YouTube』『theguardian.com』『tjournal.ru』より
https://www.theguardian.com/world/2018/dec/12/high-tech-robot-at-russia-forum-turns-out-to-be-man-in-robot-suit[リンク]
https://tjournal.ru/media/82025-predpochli-poglumitsya-rossiya-24-obyasnila-fleshmobom-robota-v-kostyume-cheloveka[リンク]