薄毛で悩む人に朗報。両手で行う頭皮マッサージの次は、低周波振動を非接触で照射するフェーズだ。
ヘアメディカルグループ、日本医科大学形成外科、アンファーは、薄毛治療の共同研究について、最新トレンドを報告。
報告会には、日本医科大学付属病院形成外科 高田弘弥講師、日本医科大学形成外科学教室 小川令主任教授、日本コスメティック協会 小田芙美子認定指導員、ヘアメディカルグループ 川島眞 総院長らが講演。それぞれの立場で薄毛治療のトレンドを伝えた。
薄毛治療むけ非接触超音波装置が登場
今回の報告会で、最も注目されたのは、非接触集束超音波装置を、臨床むけ薄毛治療機器として導入するトレンドについて。
上記3者は、日本医大が基礎研究、アンファーが開発、ヘアメディカルグループが臨床をそれぞれを担っている。
ヘアメディカルグループの川島眞総院長は、非接触で低周波振動圧を特定の部位(たとえば頭皮)に照射できる非接触集束超音波装置を、臨床むけ薄毛治療機器として2020年に導入すると発表。
開発を担うアンファーと共同で製品化・商品化をすすめ、2021年には、ホームケアむけ低周波振動圧刺激デバイスも発売する構え。
振動圧刺激による発毛促進を実証していく
両手でやっていた頭皮マッサージから、清潔で感染リスクの低い非接触へ――。
そこで思うのは、そもそもマッサージなどで頭皮に加えられる刺激は、ほんとうに薄毛治療に有効なのか、だ。
基礎研究を担う日本医科大学の小川令主任教授は、体内のあらゆる臓器、組織、細胞に、物理的刺激が作用することに着目し、毛髪再生にも物理的刺激を与えることで効果が期待ができると予想。毛髪研究への応用をすすめていることを明らかにした。
また、日本医大 高田弘弥講師は「振動圧刺激が、発毛促進につながる可能性が高い」という。ことし8月からは、マウスの背中に非接触集束超音波をあてて毛再生の実験を始め、「照射部の発毛が促進されているのを確認している。近いうちにあらためて発表できるはず」と伝えた。
非接触の超音波で発毛する……そんな時代まであと2年。もちろん、日本コスメティック協会 小田芙美子認定指導員が解説していた推奨セルフ頭皮マッサージ法「川島式ヘアメディカルマッサージ」で頭皮に刺激を与えるという従来のスタイルも、続けていきたい。