デンマークの墓地で撮影されたこちらの画像をご覧ください。お墓に添えられた碑文のようです。読んでみると、ちょっと怖くて悲しい物語が隠されていました。
「1903年にジフテリアで5人の子を亡くした教師L.H.ラーセンと妻エミリーの記録」
ラーセン夫妻は1903年の7月3日に、まず15才の娘を亡くし、次の日には2才と6才の娘を、その2日後には4才の娘を、またその翌日には13才の息子をジフテリアで亡くしました。夫妻の悲しみはいかほどだったことでしょう。
ジフテリアは主にくしゃみや咳などの飛沫から感染する上気道粘膜疾患。家畜やペットなどからも感染するとされています。発症すると39℃以上の発熱や喉の腫れ・痛みなどを引き起こし、気道が詰まって窒息死したり心筋炎で突然死したりする恐れも。致命率は5~10%、免疫のない小児では20%にまで上昇するとされています。血清治療がまだ広まっておらず、抗生物質もない20世紀初頭にはもっと致死率の高い“死の病”だったはずです。
現在の日本では、ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオに有効な四種混合ワクチンを小学生の間までに接種することになっており、ジフテリア患者は年に1名の発症者が見られるかどうかというところまで激減しています。ただ、昨年から今年にかけてインドネシアやバングラデシュのロヒンギャ難民のキャンプで数十名の死者が出るなど、アジアからの外国人観光客を積極的に迎え入れようとしている日本にとっても無縁となったわけではありません。
これらの国での感染拡大の背景には、貧困やイスラム過激派の宣伝する間違った“反ワクチン思想”があると報道されています。実は日本も欧米先進国に比べるとワクチン接種率が低く、麻疹については輸出国であるとすら言われています。ラーセン夫妻の悲劇を繰り返さないためにも、感染症とワクチンに対する正しい知識を身につけていきたいものです。
画像とソース引用:
https://www.reddit.com/r/pics/comments/7s4upg/this_is_what_happened_when_vaccination_wasnt_an/?limit=500[リンク]
参考サイト:http://www.know-vpd.jp/index.php[リンク]