茨城県取手市で、当時中学3年生の女子生徒が自殺した件など、改めていじめが問題になっている。なぜいじめが起きるのかということと、その対策について、微力ながら考えていきたい。
いじめの原因は人間の個体差にある
いじめが起きる原因とはなんだろうか。それは、根本的には人間の個体差に原因があるのであろう。個体差があるがゆえ、パワーを持つ人間と相対的に弱い人間がでてくる。パワーを持つ人間が弱い人間をいたぶる現象がいじめと呼ばれるのだろう。この中で小学校~高校を舞台に行われるいじめは、若年者の自殺などを引きおこし、社会的にも非常に重要な問題である。※ここでいうパワーとは力自慢のみを指すのではなく、社会的なパワーを含む
では、いじめへの対策はどのようなことが考えられるか。1つは公法の関与を強めることである。具体的には刑法の規定を学校内に相対的に拡大していくことになる。この対策は一方で「教育の自治」「私人間の自律的な解決」「国家権力の拡大への反対」などワードでの反発も想定される。ある程度、議論も必要だろうし、現時点で速攻性があるかというと疑問である。
もう1つの対策は、私人間間のパワーバランスを図ることである。いじめはパワーバランスの不均衡によって起きるのであるから、そのパワーバランスを図ることが対策になる。パワーバランスを図るにはいくつかの方法が考えられるが、本稿ではより建設的だと思われる対策を提案したい。
大学のサークルを活用したいじめ対策
それは、大学のサークル活動の活用である。大学のサークル活動を小学校~高校の学生にも積極的に開放、参加を促していくことで、小学校~高校内のパワーバランスを図ることができないだろうか。小学校~高校でのいじめは学内でのパワーバランスにより起きることが多いが、そこに比較的年も近い大学生が関与することでパワーバランスを取ることができないかと考えている。
大学のサークル活動は地域の資産である。サークルが実施する多様な活動はレベルの高いものも多く、その資産は地域社会に是非還元されるべきである。※この視点でいうと小学校~高校だけでなく、地域社会にも開かれるべきである。
一方で大学のサークルの中には「一気飲み問題」「過激派問題」などを引き起こす団体も含まれるが、そのようなサークルは(地域に開かれることで、より)公法により裁かれるべきだろう。
大学のサークルの資産を活用することが非常に重要だと指摘したが、これは1つの例示であり、地域でのサークルなどでも地域社会の一員として積極的にこの問題に関与していくべきだろう。
【写真:自主撮影】