流行りものを一旦無視する傾向にある人がいて、私自身がそうなのですが、世間で騒がれているトレンドにあえて『乗っかるまいぞ!』と構えてしまうプチ頑固者でございます。その頑固者、流行りに乗っかってしまいました。
来月パスポートの期限が切れるため、先ごろニューヨーク領事館に更新の手続きに行ったのですが、その前に証明写真を『カメラのドイ』で撮影。2枚の証明写真に17ドル強も支払いました。日本でもこんなに高いのでしょうかね、パスポート写真って?日本のパスポート写真は日本人経営のフォトショップではサイズに間違いがないので、ずっとこちらを使っているのですが、それにしても『高いなぁ…』と一人ぼやきながら、昼時のマンハッタンのミッドタウンを歩いていました。
ふと帰路にあるグランド・セントラル駅の地下コンコースにあるシェイク・シャックのハンバーガーを食べてみたい!と急に熱望しちゃって、一路グランド・セントラル駅へ…..と言っても、フォトショップや領事館から歩いて5分ほどの場所にあります。昼前の11時あたりに既に人が並んでいるのです。並ぶことが好きじゃない私は、更に自宅に近いシェイク・シャックに行ってみることにしました。グランド・セントラル駅はいつも混みあっているし、それよりも観光客が比較的少ないミッドタウンのイーストサイドに向かいますと、ははぁ~ん、流石に人が少ない。
レストラン自体を外部からはいつも見ているのですが、実際中に入ってみると景色が違って見えますね。オフィスビルの角の一階部分に店舗はあり、ファミレスみたいなテーブルと椅子が固定されているセットが6つほど並んでいますが、テーブルの木の質がよくレストランのハンバーガーのロゴの焼きが入っています。ありきたりなテーブルセットでありながら、しっかり質の良さがわかります。
レストランの真ん中には縦長のテーブルが置かれてあり、なんと立ち食い席、これは斬新です!ニューヨークにあるホットドッグのチェーン店などは立ち食いがお馴染みですが、高級感を謳うハンバーガー屋にしてはなかなか強気ですぞ。
レストランの奥に注文カウンターがあります。「シェイク・シャックハンバーガーのダブルとコーラのスモールサイズで…」とオーダーすると、12ドル弱のお支払いをすませ、手元にスマホより小ぶりな出来上がりを知らせるディバイスを渡されます。確か日本でこういうシステムがあったぞと懐かしく思ったのですが、アメリカもようやく導入といったところでしょうか。
5分程でしょうかね、待たされました。大の大人が食べ物を突っ立ったまま出来上がるまで待たされるのは、あんまり良い気分ではないのですが、店自体が落ち着くし、天井も高いし、雰囲気もいいし、大きな窓から見える街並みを見るのもなかなか楽しいものでした。これはマクドナルドやバーガー・キングで待たされるのとは全く違った感情でした。
手元のディバイスが振動してハンバーガーが仕上がったのでカウンターに取りに行きます。小ぶりのトレイは金属製。その上にお洒落なロゴのイラスト入りの紙を敷き、ハンバーガーとコーラがちょこんと置かれて、一足早いひな人形のように思えたくらいだから絵になっていたのでしょう。
味ですか?良かったですよ。先ず、ハンバーガーの肉もいいし焼き具合もいいのですが、塩、この塩の旨味がなんとも言えないのです。ハッピーターンの魔法の粉的な要素があるような、ちょっと中毒性もありそうな程の塩味。銀座の一流の天ぷら屋さんで塩で天ぷらを食べた時も、そこの塩が特別の味を感じたものでしたが、一流を自負するレストランって塩が違う!って圧倒的に感じましたね。
その昔、日本でファーストフードのハンバーガー屋は過剰包装で問題になったことがありました。その時代を知っている人はおわかりですよね?ご存じない方のために説明をしますと、イートインでその場で食べるのにわざわざハンバーガーが入るプラスティック型のケースに入れてきたりするのです。今のアメリカのマクドナルドでも同じようなもので、ビッグマックを頼むとしっかり箱のケースに納められて手渡され、そこらあたりの席で食すのですが、このシェイク・シャックハンバーガーでは、紙の薄いバッグに挟んでいるだけで、その思い切り簡素な包装に驚かされました。
一応、高級ハンバーガーとされていますが、マクドナルドのセットメニューも結構いい値段を取りますので、それを考えるとこちらのハンバーガーの方が結果的に得ではないかと思います、満足感もありますしね。ポテトは必要以上にカロリーを摂りすぎるのでその分ハンバーガーをダブルにして、それと飲み物だけで十分です。ハンバーガーをシングルにして、ポテトをつけて、飲み物を買うのと同じくらいの金額になりますが、ダブルバーガー、ポテトなしをカロリー的にお勧めしたいです。
公園内の一台の屋台から始まったシェイクシャックハンバーガー。それが今では世界一上場が難しいとされるニューヨーク証券取引所に上場しているのですから夢がある。
いかにもアメリカ的な食べ物であり、ストーリーであると思いますね。
画像: from flickr YAHOO!
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