“ひねり王子”白井健三選手
”ひねり王子”こと体操日本代表・白井健三選手ですが、海外では”Mister Twist”と呼ばれているそうです。リオ五輪では団体の金メダルに次いで、種目別の跳馬でも見事銅メダルを獲得しました。その際、新たな技を成功させ、白井選手の名を冠した技がまた一つ増える見込みです。
新技に自分の名前が付く
体操では、新技を世界大会で初めて成功させると、その選手の名前を付けることができます。
森末慎二さんの『モリスエ』(平行棒)や、塚原光男さんの『ツカハラ』(鉄棒の降り技が最初で、ムーンサルトもこれです)、最近では山室光史選手の『ヤマムロ』(平行棒・G難度)加藤凌平選手の『カトウ』(吊り輪・D難度)、田中佑典選手の『タナカ』(吊り輪・E難度)などがあります。
【新技に自分の名前をつける手順】
1)国際体操連盟(FIG)に新技を申請します。
2)FIGが認める大会で申請した新技を成功させる。
3)新技が認定されて考案者の名前が付けられる。
引用元:http://trans-arrow.com/taiso_sinwaza/
さらに、
『新技を指定の大会で自ら成功させないといけない』
引用元:http://trans-arrow.com/taiso_sinwaza/
『お披露目に失敗した新技には永久に名前が付かない』
引用元:http://trans-arrow.com/taiso_sinwaza/
と、名前を付けるためには厳しい基準が設けられています。
既に4つの技を持っている
白井選手は既に4つの技を持っています。今回の新技成功で、5つ目になる見込みです。
床
『シライ/グエン』
後方伸身宙返り4回ひねり
2013年世界選手権 F難度
『シライ2』
前方伸身宙返り3回ひねり
F難度
『シライ3』
後方伸身2回宙返り3回ひねり
2015年豊田国際大会 H難度
跳馬
『シライ/キムヒフン』
伸身ユルチェンコ3回ひねり(バク転から後ろ向きに踏み切り身体を3回転ひねる)
2013世界選手権 F難度
リオ五輪で成功 新たに命名される見込みの『シライ2』
『シライ2』
伸身ユルチェンコ3回半ひねり
(バク転から後ろ向きに踏み切り、身体を3回転半ひねる)
Dスコア6.4(リオ五輪での判定。現在の最高難度です。)
跳馬を跳ぶ際に、通常は跳馬と平行に手を着くところを、片手をやや斜めにした状態で着くことでよりひねりやすくしているとのこと。また、
白井の大技成功の裏には30センチ増やした助走があった。なかなかイメージ通りの跳躍ができなかった中、白井は7月8日の代表合宿で「ひらめいた」と言う。
日本のメーカーよりも、柔らかくて弾みやすい外国製の助走路。思い切って助走のスタート位置を30センチ下げ、23メートル70だった助走距離を24メートルに。
引用元:http://topics.smt.docomo.ne.jp/topnews/sports/643/efca02f1c5398c6caf108fe0539f84e6
との事です。新技術の開発でもあるようですね。
今後、国際体操連盟の技術委員会で正式に新技と認定されると、難度と名前が決まります。
ただ、今後はひねりがあまり重要視されなくなるかもしれないとの見方もあるようです。白井選手には、さらなる新技が求められるのかも知れません。
トップ画像:白井健三選手のTwitterから引用
https://mobile.twitter.com/kenzo8824