DRaaS、「サービスとしての災害復旧(Disaster Recovery as a Service)」は、仮想プラットフォームで、データのバックアップ、リカバリ、および、修復を可能にすることにより、企業に持続性を提供する、クラウド・ベースの災害復旧(DR)サービスである。 2016年4月17日
By Chris Preimesberger、eWEEK
データセンターのサーバにおける、災害の要因と割合を以下に示す。
・人的なミス: 60%
・勘違いのアップデートやパッチ: 56%
・サーバ・ルームの問題: 44%
・電力の供給停止: 29%
・火事や爆発: 26%
・地震などの天災: 10%
DRaaSは、データを保護し、バックアップし、復旧するために、仮想的なサーバに置き換える、クラウド・ベースのDRサービスである。
SaaSは「サービスとしてのソフトウェア」、PaaSは「サービスとしてのプラットフォーム」の略語であるが、IT業界は、DRaaSは、「サービスとしての災害復旧(Disaster Recovery as a Service)」という、新たな略語を追加した。
DRaaSは、データのバックアップ、リカバリ、および、修復を可能にすることにより、ビジネスの持続性を提供する、サービスのことである。
災害復旧(DR)は、セットアップ、テスト、および、保守が大変で、人的なミスも、災害の主な要因になっているので、(Don’t do anything DRaaS-tic)「DRaaS的に、何もするな」という造語も生まれている。
DRaaSは、人災や天災に備えて、データを保護し、バックアップするために、仮想的なサーバを複製する、クラウド・ベースのDRサービスである。
このDRaaS分野の、主なプレーヤには、Veeam、CenturyLinkのDataGardens、TwinStrata、Unitrends、Asigra、Infrascale、Cirrity、Intronis、Zerto、Iland、および、VelocityCloudがいる。
このDRaaS分野の、大手の主なプレーヤには、IBM、HPE、VMware、Oracle、Dellがおり、クラウド・ベースのDRサービスの独自の版を持っている。
DRaaS市場は、IT分野で、堅実に成長している分野の1つであり、2020年には、世界でのDRaaSの1年間の売上が、120億ドルに達することが期待されている。
MarketsandMarketsは、世界のDRaaSの売上が、2015年の14億ドルから、2020年には120億ドルになると予想している。
Global Industry Analystsは、世界のDRaaSの売上が、2020年までに、64億ドルになると、より控え目に予測している。
Gartner Researchは、2020年までに、世界のDRaaS市場の売上が、従来のオンプレミスのDRサービスの売上を超えると見ている。
売上、業界リサーチ、および、eWEEKのリソースに基づいた、世界のDRaaSのリーダのリストを以下に示す。
・Acronis:
Acronis Disaster Recovery Serviceは、データ、サーバ、および、データセンターの保護とリストアを提供する、包括的なDRaaSサービスである。
・Bluelock:
Bluelockは、企業が危険を緩和するのを支援する、複雑な環境や重要なデータ向けに、DRaaSサービスを提供しており、マルチ層のリカバリ、物理的および仮想的なマシンを持つ、複数の構成環境といった、ユニークなDR要件をサポートしている。
・Databarracks:
Databarracksは、低コストでの、データのリカバリや保護に焦点を合わせており、必要とされるときにのみ、ハードウェアへのアクセスを可能にする、クラウド・ベースの仮想的なサーバ・プラットフォームを使用することにより、データのリカバリや保護を行う、DRaaSサービスである。
・IBM Cloud Services:
IBM Cloud Virtualized Server Recovery (CVSR) は、継続的なビジネスの運用を維持し、データの混乱に対する弾力性を改善し、指定されたセキュアなデータ・リカバリ・センターのクラウド・ベースの仮想的なサーバ・プラットフォームで完全に管理されている、DRaaSサービスである。
・NTT Communications:
NTT Communicationsのクラウド・ベースの災害復旧サービスは、データのリカバリとバックアップの両方を提供する、DRaaSサービスであり、顧客が、自己管理オプション、監査ログ、および、資産ベースの使用レポーティングで、このDRaaSサービスを絶えず制御できるようにしている。
(続く)