AmazonとOpenStackが、なぜ、クラウドの世界において、繁栄を続けているか? 2016年4月10日
By Sean Michael Kerner、eWEEK
Amazonは、2015年における、Amazon Web Services(AWS)クラウド部門の年間売上が、100億ドル近くになった。
(続き)
ネットワーク・オペレータや通信キャリアは、より多くの理由で、OpenStackを採用している。
OpenStackのクラウド技術は、ネットワーク機能の仮想化(NFV)を実現するための、プラットフォームとして、通信キャリアにより使用されている。
大手の通信キャリア、AT&Tは、2016年の3月に開催された、Open Networking Summit(ONS)で、OpenStackのクラウド・プラットフォームを採用していると紹介した。
AT&Tは、2020年までに、OpenStackのクラウド・プラットフォームを使用して、通信ネットワークの75%を仮想化する。
AT&T Technology and Operationsの副社長、John Donovan氏は、ONSの基調講演で、参加者から、AT&Tが、OpenStackのクラウド・プラットフォーム代わりに、AWSのクラウド・プラットフォームを使用することを考慮しているかどうかを尋ねられた。
John Donovan氏によると、AT&Tは、オンプレミスで、OpenStackクラウド・プラットフォームを使用して、独自のプライベート・クラウド・サービスを運用することを選択しており、Amazonのデータセンターで運用されている、AWSのクラウド・プラットフォームを使用することは考えていないという。
IBM、HPE、Dell、および、Ciscoを含む、多くの大手ITベンダは、OpenStackクラウド・プラットフォームを、自社のハードウェア・システムに移植し、顧客に販売したり、サポートしたりできるので、OpenStackのクラウド・プラットフォームを提供している。
Walmart、eBay、PayPal、BestBuy、および、Volkswagen Groupのような、大手企業は、社内のソフトウェア開発者が、アプリケーションを作成し、展開することを促しており、AWSのプライベート・クラウド・サービスを使用する代わりに、オンプレミスで、自分たちでカスタマイズしたり、保守管理したりできる、OpenStackクラウド・プラットフォームを採用している。
これに対し、オンプレミスに、クラウド・プラットフォームを構築し、運用、保守管理する要員やリソースを持ちたくない、企業は、専用の保守管理者を持つ、Amazonのデータセンターに構築されている、AWSのクラウド・プラットフォームのプライベート・クラウド・サービスを使用している。
Amazonが、クラウド・ビジネスに早くから参入した後、10年間、AWSは。クラウド業界をリードし続けている。
AWSクラウド・プラットフォームの代替として、2010年に出現した、OpenStackクラウド・プラットフォームは、オンプレミスに、AWSクラウド・プラットフォームと互換性のあるプラットフォームを構築したい企業、OpenStackクラウド・プラットフォームを顧客に販売したいITベンダ、および、OpenStackクラウド・プラットフォームを使用してクラウド・サービスを顧客に提供したいサービス・プロバイダに採用されている。
これに対し、AWSクラウド・プラットフォームは、ハードウェア・システム・リソースやクラウド・プラットフォームの運用や保守管理の要員を持ちたくない企業に採用されており、AWSとOpenStackが、直接の競争相手ではないことは事実である。
AWSは、クラウド・サービスやクラウドの運用、保守管理をビジネスにしており、OpenStackは、クラウド・プラットフォームを販売することをビジネスにしている。
OpenStackは、AT&Tのような通信キャリアや、Walmart、eBay、PayPalのような大手の企業などが、オンプレミスに、独自のプライベート・クラウド・サービスを構築し、運用できるようにするのを支援している。
Amazonは、進化するAWSクラウド・プラットフォームを提供し、クラウド・サービスの価格を下げ、企業が、プライベート・クラウド・サービスを運用するためのリソースやコストを低減できるようにする。
AWSクラウド・プラットフォームは、GoogleやMicrosoftのクラウド・プラットフォームと、機能、性能、セキュリティ、信頼性、ポートフォリオ、価格などで競争している。