ベテランの営業マンや講師の方でも、初対面の人と話すのは多かれ少なかれ緊張するそうです。
実は、人間だけでなく、魚も初対面どうしは緊張していることが、大阪市立大学院理学研究科 幸田正典教授グループの研究で明らかになりました。カラスが高度な認知能力を持っていることが分かった時、多くの研究所が驚きましたが、魚が他の個体を識別して緊張した態度を取ることが証明されたことで注目を集めています。
幸田教授が着目したのは、ブルチャーとよばれるカワスズメの一種。20匹程度の群れで生活する習性がある魚で、魚にしては高度な社会性を持った種ということが知られています。
幸田教授らは、実験対象の魚に対して、
1:初対面の魚と、群れで行動している魚の画像を用意。
2:群れで一緒に行動する魚に、初対面の魚の顔の写真を貼った画像を用意。
3:初対面の魚に、群れの中で一緒に行動する魚の顔の写真を貼ったものを用意。
これらの魚を水槽越しに1分見せたところ、初対面の魚に、群れで一緒に暮らす魚の顔の写真を貼ったものを見せた場合は、10~20秒ほどしか警戒しなかったものの、群れで一緒に行動する魚に初対面の魚の顔を貼った画像や、初対面の魚の画像は、30秒程度警戒することがわかったとのこと。
今回の実験は、飼っている観賞魚の魚種によっては、飼い主の顔を識別できる能力を持っている可能性を示唆した実験ともいえるかと思います。飼っている観賞魚が、単にエサをほしがってるだけではなくて、自分を認識してくれているとしたら、ペットとしてさらに愛情が増しそうですね。
※写真はイメージ 足成より http://www.ashinari.com/2013/08/03-380800.php