厚生労働省は、4日、大韓民国で中東呼吸症候群「MERS」を引き起こすコロナウイルスの感染拡大を受けて、「発熱」や「風邪」などのMERS感染が疑われる大韓民国から入国した患者を診療した場合は、「疑似症」として都道府県や検疫所に通知するよう指示しました。
この措置は、MERSに感染しているか、感染の有無の検査や、専門医療機関での対応を、迅速に行うのが目的です。これまで、地方の衛生研究所で、MERS感染が陽性と認められた場合、「疑似症」として届け出ることを義務づけていました。
大韓民国での感染拡大の実態を受けて、今後は、全国の検疫所や保健所などで、38度以上の発熱などの症状や、大韓民国でのMERS患者との接触が認められれば「疑似症」患者として、衛生研での検査や、専門医療機関への搬送・入院などの措置を行えることとしました。
また、14日以内に、大韓民国に渡航歴があり、MERS患者と接触したものの発熱などの症状がない人には、検疫所が、健康監視の対象者として指示書を交付します。指示書が交付されて14日間は、マスク着用や朝夕2回の体温測定をしてもらいながら、職員が定期的に電話が確認することとなっています。
また、38度以上の発熱や激しい咳が出るなど体調が悪化した場合は、検疫所へ連絡してもらい、早急な治療と感染封じ込めを行うこととしています。
今回は、エボラ出血熱と違い、感染拡大が起きている場所が、隣国であること。また、航空機が相当数乗り入れしていることを考えると、感染が拡大するリスクもじゅうぶん考えられます。
法的な制度が敷かれましたが、もっとも大事なことは、心当たりのある方は早めに専門の医療機関に相談することです。
ご本人の健康はもちろん、周囲の方の健康を守るためにも、みんなで気をつけたいですね。
※写真はイメージ 足成 http://www.ashinari.com/2008/11/23-010458.php