大学で広まる100円朝食 栄養不良の改善を狙って

  by 松沢直樹  Tags :  

大学入学後、親元から離れて生活習慣が乱れ、体調を崩す大学生の増加が指摘されています。
昔から、ステューデントアパシーというような、無気力状態に陥る大学生が指摘されていましたが、生活環境が変わることや、高等学校まではクラス単位の人間関係が存在していた状態から開放的になるため、かえってバランスを崩すケースが多いようです。

東京都国分寺市の東京経済大学は、2014年より100円で限定100食の朝食を提供しています。本来300円かかるコストのうち、200円を父母が負担し、残りは学生本人が負担するシステム。
ごはんと、小さな豚汁に、さば味噌煮やシューマイなどの主菜が一品。副菜は10品から2品が選べるようになっている。
ふだんから、食生活が不規則な状態になっている学生が多く、講義中も頭がぼーっとするなどといった栄養不良からくるとみられる体調不良の症状が確認されていた。

昨年12月の学生アンケートでは、回答した111人のうち、93人が朝食をとるようになったと回答。講義中の体調不良などの症状を訴えるケースも減ったと見られる。

このことを受けて、朝食を大学生協で提供する動きが全国に広がりつつある。京都市の立命館大学、東京都世田谷区の駒沢大学、広島市の広島経済大学は、100円での朝食提供を始めた、

また、神奈川県の湘南工科大学では、2014年10月無償での朝食提供を開始している。

※写真はイメージ 足成 http://www.ashinari.com/2010/01/12-032994.php

松沢直樹

福岡県北九州市出身。主な取材フィールドは、フード、医療、社会保障など。近著に「食費革命」「うちの職場は隠れブラックかも」(三五館)」近年は児童文学作品も上梓。連合ユニオン東京・委託労働者ユニオン執行副委員長