AP通信やWHO(世界保健機関)によると、Ebola hemorrhagic fever(エボラ熱)の感染流行が問題になっていたリベリア、シエラシオネ、ギニアのうち、リベリアは1日までの一週間で、新たな感染者が発生していないことが報じられました。
また、リベリアでは5日に治療中の患者が退院し、国内での治療中の患者がいなくなったことも報告されています。
エボラ熱が流行した3つの国のうち、リベリアは最多の死者(4千人以上)の死者を出していますが、今後感染者が出なければ、終息宣言が出されることになります。
一方で、ギニア、シエラシオネは、1日までの一週間のうち、新たに132人の感染者が報告されています。前週の98人よりも増えていることから、終息の見通しが立っていません。
日本は先進国と同調して、自衛隊を通じた感染防止のためのマスクや衣類および医療用品などの送付、経済的な支援を行ってきました。それらの支援が、リベリアでの感染者減少の結果に結びついたということも言えそうですね。
WHOは、感染者が増えているギニアやシエラシオネでは、感染しても治療を受けない患者がいること。また、感染して死亡した患者の葬の際に、参列者がご遺体に直接触れたりする習慣があるため、二次感染が生じる危険について周知されていないことを指摘しています。
逆にいうと、エボラ熱は、ワクチンこそ開発されていないものの、飛沫を含めた感染者の体液に触れたりしなければ感染しない可能性が高いとも考えられます。また、安定した効果が得られる治療薬はないものの、感染した場合、治療を受ければ助かる可能性が高い可能性も見てとれます。
日本でも、検疫法や感染症法に基づいて、エボラ熱の感染者が発生した場合の隔離や治療について体制が整えられてきました。
一時期は、不安だけが言われる傾向がありましたが、感染流行地域への渡航する人以外は、インフルエンザを予防するような意識でいれば、あまり心配する必要はないのかもしれませんね。
※写真は、NIID国立感染症研究所ホームページより引用
http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases/a/vhf/ebora.html