昨年12月30日に、山口県長門市日置中(へきなか)で発生した高病原性鳥インフルエンザの問題について、山口県は、問題となった養鶏場について、1月1日をもって防疫措置を終えたと公表しました。
家畜伝染予防法などの法令に基づいて殺処分となった食肉用3万7000羽の鶏は、明日4日に山口県小野田市の施設で焼却処分されます。
とはいえ、この問題は全て収束したわけではありません。
高病原性鳥インフルエンザを拡大させないために、問題となった農場から半径3キロメートル以内の農場について、鶏や卵の移動を制限しています。今月12日に山口県が検査を行い、ウイルスが見つからなければ、各農場から3~10キロ圏内の移動を許可します。その後も監視を続けますが、異常が見つからない場合、23日午前0時をもって、全ての移動制限を解除する予定です。
法令に基づいた処置ということもありますが、これだけ厳しい監視を行うのは、鳥インフルエンザウイルスの媒介源がはっきりしないからです。
山口県と同時に調査を行っていた環境省は、鳥インフルエンザを媒介する野鳥の死骸などがないか調べていました。その結果、養鶏場の半径10キロ以内で、高病原性鳥インフルエンザによる野鳥の大量死は見つかっていません。
したがって、長門市日置中(へきなか)で起きた高病原性鳥インフルエンザウイルスは、たまたま飛来した野鳥からもたらされたものとは言い切れない状態とは言えないことになります。
状況を監視し、高病原性鳥インフルエンザウイルスが広がらないことを確認できた時点で、収束と見なす方針をとったことになります。このまま、収束してほしいですね。
なお、誤解のないように伝えておかなければなりませんが、山口県で市販されている鶏肉や鶏卵は、安全が確認されているものです。今回の事件で不要に騒がず、衛生的な調理を心がけることを第一に考えてくださいね。
※写真は足成より http://www.ashinari.com/