『明日の子供たち』(有川浩 幻冬舎)

  by みほこ  Tags :  

有川浩さんの小説は『図書館戦争』をはじめ、本の話がよく登場する。児童養護施設を舞台にした『明日の子供たち』のなかでも本の話が書かれている。

高校生の久志は親の虐待が原因で施設に預けられた。久志は施設長の福原に本を読んでもらったことがきっかけで本好きになる。
福原は本を読むことで培われる想像力について久志に話す。
「虐待の連鎖」という言葉がある。親に虐待を受けて育った子供は、自分が親になったときに子供を虐待する可能性があるとよく言われる。
福原の古い友人は父親がお酒を飲むと暴れる人だった。幸い友人は幸せな家庭を築くことができた。その理由は、友人が本を読むことが好きだったこと。福原は、本を読むことで友人は救われたんじゃないかと思っている。
本を読むことで得る想像力は、自分以外の相手を思いやる気持ちにつながる。
虐待を受けて育った久志は、福原の話を聞いて本は大事にしようと思い。自分が社会人になったら、同じ本を2冊買い1冊は施設に寄付しようと決める。

『明日の子供たち』は児童養護施設で働く職員の目を中心に書かれている。児童養護施設について筆者は知らないことばかり。新人職員の三田村や三田村の指導係の和泉の心境になってこの本を読んだ。本を読むことは知らないこと知るきっかけになる。筆者も、福原の友人ではないが本に救われたと思ったことは何度もある。本が与える影響は大きい。

いまは、秋の読書週間真っ只中。皆さんも本の世界に入り込んで、登場人物になりきりましょう!きっと素敵な出会いが待っているはず。

画像:足成 http://www.ashinari.com/

野球はスワローズ、好きなキャラクターはつば九郎、使っている手帳はあな吉手帳。最近ランニングを始めました。興味があることは、色彩心理学です。

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