結局、行き着くところは「Windows」になる?

  by Takehito Sonoda  Tags :  

最後に選択するのは……

Chromebookが日本でも発売された

2014年7月16日に日本Acerが『Acer Chromebook C720』を発売しました。
これに続くかのように、17日にはDellから『Dell Chromebook 11』という製品を発表、また29日にはASUSから『ASUS Chromebook C300MA』という製品を発表し、それぞれ受注開始予定日などの詳細が明らかになった模様です。
そもそも、それぞれの製品の名前に記されている「Chromebook」とはなに? という話をしたいのですが、単純に説明すれば「Googleが開発したOSを搭載しているノートPC」のことです(ちなみにデスクトップPCだと「Chromebox」と呼ばれています)。
このOSは「Google Chrome OS」と呼ばれ、その原型となる「Google Chromium OS」はネット上で無償に配布されています。
基本となるOSが無料なので、端末も非常に安価なものが多く、Linuxベースのためモロモロの動作が速いです(特にOSの起動速度)。

しかしながら注意して欲しいのが「Windows」でも「Mac OS」でもないという点と、操作はChromeブラウザ上で行うという点です。
WindowsやMac OSに慣れてきた人には、いきなりChrome OSを使いこなせるか難しいところだと思います。
例えば文書などを用意した場合、それぞれのOSに合わせてファイル形式を変換しなければならないので、仕事上でアプリケーションを通したやり取り(Microsoft Officeなど)は、若干手間取るかもしれません。
Chrome OSが賢いのは、ブラウザ上ですべての作業を行うという点に特化したこと。
文字を書くことも、写真を整理することも、SNSを楽しむことも「全部ブラウザ上で出来るじゃん!」というシンプルな考えでOSが構築されています。
そういった訳で、Googleのアカウントを持っていることが必須ですし、データ保存もクラウド上で行うため、Googleにすべての個人情報を提供することになります(もちろん端末に保存することも可能ですが、基本的にクラウドベースでデータのやり取りを行います)。
こういった様々な点を考慮した上で「Chromebook」なり「Chromebox」などを購入すると良いかと思います。

やっぱりWindowsでいいや

筆者は「Windows XP」のサポート終了後、「Puppy Linux」を古いパソコンに試しで導入してみました。
起動が速いことに驚いたのはもちろんですが、ネットのブラウジングも快適に操作することが出来たので、「これでいいじゃん」と満足して使用しています。
「Puppy Linux」も「Chrome OS」も軽量OSなので、この点は似ていると思います。
対してWindowsはアップデートを繰り返す度に動作が重くなりますし、セキュリティのソフトのおかげで無駄な容量を食います。
パソコンを守るためのソフトなのに、逆に振り回しているというのが現状だと思います。
Chrome OSはクラウド上ですべての操作を行うため、セキュリティソフトが基本的に不要です。
OSの更新はたびたび行われると思いますが、その影響で劇的に動作が遅くなるということはなさそうです。
この点は大いに評価して良い部分だと思いますし、普段からChromeブラウザを愛用している自分としては、すぐにでもこのOS中心にノートPCを構築したいところです。

……しかしですね。

使い続けるうち、やっぱりWindowsでいいやと投げやりに思ってしまうんですね、これが。
Chrome OSの困る点は、「まだアプリケーションが少ない」とか、「動作が不安定」など多々あると思いますが、それはある程度ユーザー側が対処すれば済む話だと思います(あるいは我慢するか)。
それはどのOSでも同じだと思いますし、Windowsも例外ではありません。
しかし、完成品として考えると、やはり現時点ではWindowsに軍配が上がるような気がします。
スマートフォンでGoogleは「Android OS」を開発していますが、どうもこのOSの中途半端なところが良く似ているような気がして、「まだChrome OSに手を出すのは早い」と思ってしまいます。
この世界では常識の話、「OSはある程度開発が進んでから導入したほうが良い」を素直に受け入れたほうが良いかもしれません。

……あくまで「現時点」では。

必死なMicrosoft社

最後に、Microsoft社がこのChrome OSに対してライバル心をノゾかせているページを見つけましたので、その内容を簡単にご紹介します。

http://windows.microsoft.com/ja-jp/windows-8/compare-chromebook

Microsoft社がドヤ顔するポイントは以下の10項目です。

・Webの閲覧

・Webアプリ

・Microsoft Office などの Windows プログラム「Chromebook では、Excel、Word、PowerPoint をはじめとする Microsoft Office スイートのいずれもインストールできません」

・Skype、iTunes、Photoshop、Quicken などの重要なプログラム「Windows では、何百万ものプログラムを使うことができます。Chromebook では、そのいずれにも対応していません」

・デスクトップ「Chromebook の “デスクトップ” は背景画像のみです。ファイルやアプリケーションを置いておくことができません」

・ほとんどのプリンターの使用「Chromebook の場合、Google クラウド プリント対応のプリンターが必要になります。対応プリンターをお持ちでない場合は、RealPC または Mac 経由でプリンターに接続する必要があります」

・PC ゲーム「Chromebook には、Call of Duty や Age of Empires などのお気に入りの PC ゲームをインストールできません」

・人気の映画やテレビ番組のオフラインでの視聴「ハリウッド映画やお気に入りのテレビ番組をダウンロードすると、オフラインでゆっくり楽しむことができます。しかし Chromebook では、そのような使い方はできません」

・ほとんどの周辺機器への接続「スキャナーなど、今お持ちの周辺機器の多くは、Chromebook に直接接続できません」

・文書の保存先の選択「Chromebook では、ドキュメント、ピクチャ、ビデオなどのファイルをクラウドにアップロードする必要があります。 Windows PC では、どのファイルをどこに保存するかはユーザーが選ぶことができます」

こうした説明から、Chromebookで出来ることは「Webの閲覧」と「Webアプリ」しかないとMicrosoft社は言いたい訳です。

 

そして最後には「優れたノート PC をお手頃な価格で」と宣伝し、我々が世界基準だと言わんばかりの態度でページを終了しています(否定はしませんけど)。
正直なところWindowsもOSとしては下火の傾向にあるので、こうしたライバルが現れて開発が活性化することは良いことだと思います。
上に書いてあるような項目が、何年後かにひっくり返されないように、Microsoft社には精進して欲しいですね。

写真引用元:http://photopin.com

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