「がん」と闘う人々を応援するチャリティ・ライブが横浜で開催!

音楽を中心とした『チャリティ・イベント』の歴史はいまから30年前の英国に遡る。それはエチオピアの飢餓を救うべく企画された【Band Aid】である。それが発端で米国に飛び火し、あの『USA for Africa』(いわゆるLiveAid)が開催された。

我が国に於いては長崎県雲仙普賢岳噴火災害救済チャリティーコンサート(1994年)や、阪神・淡路大震災チャリティコンサート(1995年)、そして本年もまもなく開催される3.11東日本大震災復興チャリティコンサート、1993年から継続されているAct Against AIDSなど、他にも数多のイベントが実施されている。

ただ、著名人の提唱によるものがなにかと影響力という点でクローズアップされ勝ちでなのであるが、実はすぐそこにいる身近な社会人が催す素晴らしいチャリティ・イベントも大小さまざまに存在しているところにも注目していただきたい。

来る3/15(土)・16(日)に横浜で『Fight Against the Cancer』が開催される。

今回、筆者はこのイベントの主旨に深く賛同し、取材を申し出て本イベントの主催である【NPO法人Yokohama Workers’ Live Aid】の理事長を務める松尾英俊氏に話を聞いた。

 

Q.『Yokohama Workers’ Live Aid』のイベント概要について説明いただけますか?

→これは「がんと闘う皆様」を支援しよう、ということでタイトルを “Fight Against the Cancer” と申します。第1回目の開催で 「音楽好きがあつまる」「楽しく演奏する」そして「出来る範囲で支援する」 ということで、2日間にわけて開催されます。

 

Q.このイベントの発足のきっかけはなんだったのでしょうか?

→1994年に私の先輩にあたる方々がスタートさせました。自主コンサートをやって、打ち上げの席で誰かが「バンドをやった」「ちょっとだけアガリが・・・」ならば「寄付?」と言いだして、実際に始めたと聞いています。その後も任意団体として活動していましたが、2007年にNPO法人となりました。そこからです。

 

Q.今年で何回目の開催となりますか?

→ここでやるものには、直接「エイド」を全面に押し出し「募金ライブ」を焦点にしたものもあります。また、「演奏者たちが楽しむため」といった形式もあります。エイドものではすでに20ライブ以上くらいかなと思います。そうでないものも含めると(ちゃんと数えないといけないのですが)50ライブくらいかなと思います。そして栄えあるNPO法人になってからは2回目です。

 

Q.松尾さんについて御聞きします。普段は何を生業にされているのでしょう?

→自分でも不明です(笑)。一つは「英語教育」「留学支援」です。大学や企業からの依頼で、個人、または代表をつとめる会社(留学支援 PTM)で授業を「設計して」「作って」「実施する」という仕事です。また翻訳者としてもお仕事を頂いております。 もう一つは「ラジオパーソナリティ」。現在FMで「ラヴィッツ松尾」という名前でレギュラーの生番組を担当しております。こちらは私の「英語教育面」とは全く離れ、純粋に「音楽好きそうな人」または「なんだかよくしゃべる人」として皆さんに喜んで頂けたらと思ってやっている仕事です。 両方をあわせ”Edutainer” (教育+エンターティナー)と密かに名乗っておりますがあまりに密か過ぎ・・・です(笑)。

 

Q.そんな松尾さんのロック愛についてお聞かせただけますか?

→どの方もそうだと思いますが、10代前半に色々なものに影響されました。 自分たちでバンドをやる前はジャズとかが好きでしたが、中学高校とギターヒーローに憧れ、日本語ロックに影響され、グラム、New Wave、ニューロマンティックにいったかと思うと、ブルースや黒人音楽に入り込み・・・と。路地裏に面白いところを見つけるとそこに入り、また入りで、とうとう出られなくなってしまいました(笑)。

 

Q.お気に入りアーティストとは?

→ありすぎて困ります。ロックレジェンドの皆さん、新しい皆さん、ジャンルを問わず相当好きな人が沢山います。とにかく濃い人が好きです。一応先日の自分の番組では”EW&F”から“工藤静香”までかけましたよ(笑)。

 

Q.本イベント開催地である横浜への愛着と魅力を教えていただけますか?

→私は西区の浅間町で生まれ、その後ずっと横浜です。ラジオのデビューも横浜。酔っぱらっても何とか帰れるし、音楽は流れてるし、酒はうまいし,美人が多い(笑)。親父は隠居しましたが本牧近辺で働いてましたから、ちょっとだけ「フェンスの向こうのアメリカ」も感じました。小さめのライブスポットや音楽を感じる店、「偉人」も数限りない。懐深い。よいところです!

 

Q.参加アーティストで一番思い入れのある人物について教えていただけますか?

→いやあ、どなたもすごい人たちなので・・・。『音家族』さんは遠くから来てくれるのですが、今回のイベントに一番乗りで参加してくれる事になりました。すごいですよ、社団法人で音楽やってる皆さんだし!『Queen Rocks』は本当にうまいし、『Sex ☆ History』は「壊れた」ブルースを感じる良いバンドです。アコースティックなら『Peace Slow』 ぶっとい音なら『サーペンスアルバス』、そして横浜の隠し球、破壊力は『ホール山口』ですね。

あと、募金が「チャリン!」と入ると「ギターソロが速くなる!」というコーナーもあります。入れたら入れただけ早弾きします。これを見たさにくる方も多いと思います!! 是非お越しくださいね。

 

Q.今後の『Yokohama Workers’Live Aid』の展望を教えてください。

→今後もどんどん仲間を増やしたい! 若手もベテランも力を貸してください! よろしくお願いします!

 

チャリティの意味は慈善や救済活動である。それは音楽に限らずありとあらゆるジャンルでその形態もさまざまだ。そこに誇大な宣伝は不必要かもしれない。ただ、筆者の主観であるが、こと生命に関わるイベントに関していえば主催者サイドの本気度とモチベーションが継続の根幹になると思うし、出演するバンドサイドも、「とりあえず楽しもう」だけではなく、がんという大病で闘う方々へ向けてのメッセージを胸にステージに上がるに違いない。筆者は、こういう『慈善の精神が身近にあること』を記事として読者へ伝えたかったのだ。

蛇足ながら、今回取材を申し出たきっかけは、かつて筆者が担当した東京・自殺防止センター取材をはじめ、アルコール依存症やメンタルな病で苦しむ方々へ向けての番組制作時の気持ちを本イベントが思い起こさせてくれたからである。

 

身近な病で苦しむ人々がいる。それを支える身近な救済ライヴがある。

 

今回の取材でまた新たな気付きをいただいた。

 

【NPO法人Yokohama Workers’ Live Aid】”Fight Against the Cancer”

3/15(土) 鶴見ラバーソウル http://www.beatle-japan.com/livehouse/
3/16(日) STUDIO24関内   http://www12.plala.or.jp/STUDIO24-KANNAI/STUDIO24_guan_nei_dian/Welcome.html

※両日とも¥2000(ドリンク別)

 

(インタビューにご協力いただいた松尾氏に御礼申し上げます)

関連URL

NPO法人Yokohama Workers’ Live Aid 公式HP

http://lxa.jimdo.com/

作家。著作は2011年6月に処女作『奈落レアリスム』 12月に2作目『薔薇薔薇の石油』を相次ぎ発表。 2012年5月に3作目『接吻奇談』を発表。 2014年2月19日、1年余のブランクから復活し、契約を締結した電子書籍レーベル【インディーズ文庫】より『電池切れパラドックスとエレクトリックシティの涙腺』が新作長編小説として出版される。瞬間恋愛を軸に夜がしっかり抱き締めてくれる鮮烈なラヴストーリーがついに世に放たれた。 常に畏敬の念を抱き続けるのは、ウィリアム・バロウズ、L=F.セリーヌ、そして中島らも。奥山貴宏にも影響を受けている。 27から本格的に書き続けてきた布石が、紆余曲折を経て再度の執筆意欲を掻き立てることになった。執筆以外の活動は2013年10月~2014年3月まで全国78局コミュニティFM番組『この場所から』のラジオパーソナリティを務めた。

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