
ケルン大聖堂の司教長は、新設された地下鉄の振動が、ケルン大聖堂にひび割れなどの被害を引き起こすのではないか、と懸念している。騒音の専門家たちによるワーキング・グループが対策に乗り出した。
2012年、12月から、ケルンでは、中央駅と市役所の間を結ぶ地下鉄が開通した。しかし、この新設された路線が、今、深刻な問題を投げ掛けている。ケルン大聖堂に振動が伝わってしまうのだ。
教会建築のバウマイスターであるミヒャエル・ハウク氏も、「振動と騒音は、新開通した地下鉄5番線が原因である」と断言したそうだ。そして、「将来的に、ひび割れなどの被害をもたらすだろう」とも言う。
市長のユルゲン・ロタース氏も警告する。この問題の区間では、現在、運行速度を通常の三分の二である時速20キロまで減速させている。そして、騒音の技術者が対策に乗り出し、ワーキング・グループが結成された。
大聖堂の管理局によると、振動は、カテドラルの北側に位置する宝物室で一番大きく、人間の感知できる騒音とともに約20秒間続くそうだ。なぜなら、この路線が、その横を走っているからだ。
しかし、「事態は逼迫しているわけではない」、とベンスブルグ地震研究所所長のクラウス・ヒンツェン教授は明言する。「大きな揺れは起きていない」からだ。「危険な兆候があれば、ごく微細なものでも、すぐに探知することができるはずだ」、と彼は言う。
とはいえ、この振動は、2009年の3月3日に、同じくケルンで起きた、歴史資料収集館の突然の倒壊を思い起こさせる。その際には、二人の命が犠牲となり、加えて、非常に重要な歴史的都市資料が失われた。この事故の原因が、地下鉄の建設であったということは忘れてはなるまい。
Spiegel on lineから引用